UR PRESS VOL.77
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フェスタ」など、幅広い世代の参加を促す食育イベントを続けている。23年度からはこども学科も参加し、秋には団地の子ども会とコラボしたハロウィンパレードを行い大好評。学生たちは企画から実施まですべてにかかわり、学びながら団地の人々との交流を深めている。福岡大学薬学部の学生たちは、近隣の2つの薬局とともに宝台団地で行っている「宝台健康アカデミー」活動を報告。団地の人々の健康寿命を延ばすことが目的のこの活動は、身体計測やもの忘れチェックなどを行うだけでなく、学生たちが健康や薬の相談にのり、必要に応じてプロの薬剤師につないでいる。参加した学生からは「調剤以外でも健康に寄与できる薬剤師を目指したい」という言葉も。宝台団地の自治会長からは、「健康がテーマだと、男性や新しい参加者が増えます」という報告とともに、「他の団地の催しを知り、刺激を受けました」という声も聞かれた。終了後は懇親会が行われ、学生が今日の振り返りや課題を発表した。イベント参加者が固定化してしまうので、新たな参加者を呼び込むにはどうしたらいいか、との学生の質問に、別の学生からは「イベントではなく、例えば常にそこに誰かがいる空間をつくるのもひとつの方法では」との意見も。「団地の方と学生間には会話が生まれるが、団地の方同士がもっとつながるようにするには?」と学生が問えば、「アーバンテーブル」に常駐するナースから、「人と人をつなぐコーディネーターが1人いると、コミュニケーションが活性化する」というアイデアが出た。どの学生も「他の大学の活動を知ることができて、とても面白かった。勉強になった」と興奮気味に語り、「他の大学の取り組みと一緒に行えば、もっと幅広く団地の皆さんを支えられるのでは?」という意見に皆がうなずいた。URでこのイベントを仕掛けた岩崎賢史は、「大成功!」とほっとした表情でこう話す。 「今日のサミットは、いろいろな大学の取り組みを知ることで、団地に関わる大学間のヨコのつながりをつくることが大きな目的でした。同時に、団地にお住まいの方々同士の情報交換の場にもなればと思っていたので、まさにその通りになり満足です。この取り組みを、全国で団地に関わる活動をしている大学の皆さんにも知ってもらい、いつか全国規模のサミットを開くのが夢です」団地と関わることで学生も確実に成長するこの取り組み。次回のサミット開催が今から楽しみだ。ヨコのつながりで皆さんを支えたい      24UR PRESS vol.77天神キャンパス団地サミットの動画はこちら▶上/健康長寿を目指す福岡大学薬学部の「健康アカデミー」。学生たちは、団地の人とプロの薬剤師をつなぐ役割も担っている。左/純真短期大学の学生たちが団地集会所入り口に掲出する食と栄養に関するお知らせは、団地の人々に好評だ。右3点/団地での活動を報告する学生たち。上から北九州市立大学(モニターに映っているのは、徳力団地集会所に集まった団地の皆さんからの応援メッセージ)、純真短期大学、福岡大学。下/UR九州支社ウェルフェア推進課の岩崎。Danchisaizensen▶DANCHI SUMMIT北九州市立大学が徳力団地のおしゃべりカフェで行うスマホ相談は大人気。

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