UR PRESS VOL.77
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は、ビジネスの点で見れば誤りかもしれません。ですがJRとしては、神戸市さんとともにこの三宮の魅力を磨き、その結果、たくさんの人に選んでもらえる、来てもらえるまちになることが最も大切だと考えました」と話す。三宮クロススクエアは駅前の三宮交差点につくる人中心の空間。これまでの10車線を6車線に減らし、工事中はこの4車線のスペースを工事のために利用し、将来的にここを歩行者のための空間にする計画だ。 「私たちは震災から復興するなかで、人と人のつながりの重要性を深く認識しました。三宮のまちの活力を高め、将来にわたって都市の魅力を高めていくためには、人との出会いやふれあいがあり、新しい体験や発見ができる場所づくりが必要です。三宮クロススクエアが将来、そういう空間になるよう官民一体となってつくりあげていきます」と神戸市の飯塚さんは期待する。URがこの事業で担当する役割は3つある。第一に、新駅ビル事業に共同事業者として参画すること。次に、基盤整備の調整役を担い、限られた場所の中で行われるビル建設や歩行者デッキの新設、車線の変更といった輻■輳■する工事を総合 ■■   ■  調整する役目。そして、これらが完成した暁には、三宮クロススクエアをいかに活用するか、エリアマネジメントで協力していく。神戸市の飯塚さんは、「市とJRさんだけですと、利害が相反して調整が難しいことがあります。そこに第三者としてURさんが公平な立場で参画してくださり、よりよい提案をいただけるので大変助かっています」と言う。URでこの事業を担当する西日本支社の留■目■峰夫は、「エリアマネジメントへの期待が大きいと感じています。駅ビルと三宮クロススクエアを使って、これからのまちをどうつくっていくか。そこにこれまで日本各地で培ってきたURの経験と知見を生かしていきます」と抱負を述べる。 「神戸市さんやJRさんと協議しながら、エリアを2つの階層でとらえては、という提案をしているところです。URとしてもこの事業は難易度が高く、大きなプロジェクト。やりがいがあります」三宮周辺では25年にウォーターフロント地区にアリーナ、27年に新しいバスターミナル、28年には市役所の新庁舎2号館が完成予定で、29年度にこのJRの新駅ビル完成と続く。震災を乗り越え、本格的に動き出した新しい神戸。その未来の姿に膨らむ市民の期待を、URはしっかりと支えていく。URの経験をまちづくりに生かす22UR PRESS vol.77現在のJR三ノ宮駅と、工事用のヤード。「URの中でも注目のプロジェクトだ」と話すURの留目。JR西日本の網田さんは、新駅ビルが着工になり、身の引き締まる思いだと語る。「ようやく市の財務状況も改善し、いよいよ新しい三宮が動き出します」と神戸市の飯塚さん。JR三ノ宮新駅ビル外観完成予想図。低層部は三宮クロススクエアと一体的な空間となり、駅ビルを通って各線への乗り換えもスムーズになる。全体は「ドレスをまとったようなイメージ」になる予定。※パースはイメージであり、今後の設計及び関係機関との協議により変更となる場合があります。

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