UR PRESS VOL.77
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1995(平成7)年に発生した阪神・淡路大震災からの復旧復興を進めてきた神戸市。復興に一区切りがついた2015年、神戸市は将来ビジョン「神戸の都市の未来の姿」と「三宮周辺地区の『再整備基本構想』」をまとめ、未来に向けた都市の再整備を進める計画が動き出した。そのなかで注目されるのが、神戸市の中心である三宮周辺地区だ。ここはJR、阪急、阪神、地下鉄、ポートライナーが乗り入れる神戸市のハブ。ところが、これら6つの駅の乗り換えが複雑でわかりにくく、駅周辺に人のための公共空間が少ないので、駅からまちの中に人を誘導するつながりが弱いという課題を抱えていた。の飯塚教■雄■さんは、「そこで、神戸市都市局都心再整備本部これらの駅をひとつの駅と感じられるようにつなぎ、まちへ誘う空間を整備することで、まちの中にたくさんの人が回遊する、人中心のまちに変えていこうという計画を、JR西日本さん、URさんの協力のもとで進めています」と説明する。その中心となるJR三ノ宮新駅ビルの準備工事が昨年度から始まっている。神戸の新しい玄関口となるこの駅ビルは、地上約155メートルの建物に商業施設、オフィス、ホテルの3つの機能を持たせる。特に注目されるのが地下1階〜地上3階部分で、駅前に誕生する三宮クロススクエアという空間と一体となるよう、まちに開放した造りになるという。JR西日本でこの事業を担当する地域まちづくり本部の網■田■将■志■さんは、「駅ビルの稼ぎどころである低層部を、三宮クロススクエアに向かう動線とすること三宮の課題を洗い出しその解決に動く新駅ビルを中心に人が回遊するまちへ新しい三宮が動き始めた!阪神・淡路大震災から来年で30年となる神戸市では、まちづくりの新たなフェーズが幕を開けようとしている。三宮周辺地区の動きを取材した。兵庫県神戸市URのまちづくり最前線 29人中心のまちへ三宮クロススクエア東地区   ■ ■■■ 21UR PRESS vol.77武田ちよこ=文、菅野健児=撮影上/歩行空間としてだけでなく、人との出会いと発見のある空間をめざして整備される「三宮クロススクエア」のイメージ図。※パースはイメージであり、今後の設計及び関係機関との協議により変更となる場合があります。左/神戸阪急百貨店の向かいに広がるこの空間に、JR三ノ宮新駅ビルが建つ。2029年度の完成を目指して、昨年度から準備工事が始まっている。写真の交差点が三宮クロススクエアになる。

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