UR PRESS VOL.76
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都市計画部まちづくり政策課の岩崎光洋さんが現状を説明する。こうした沼津市の取り組みをサポートしているのがURだ。まちづくり計画の策定支援のほか、18年に市の要請を受け、まちづくりの拠点ともなる沼津駅前の土地取得など、まちづくり全体のコーディネート支援を担当。OPENNUMAZUにはスタート時から関わっている。「市および商店街や出店者の方々と密に話を続け、関係を深めつつ事業を進めています。毎回テーマを変えているのは、異なった層の出店者やお客さまに来ていただきたいから。今回のブックでは、個性的な書店の出店や、沼津市立図書館のご協力で読み聞かせをしていただきました。その結果、若い世代やお子さま連れの方が多く来ら       れ、幅広い方に興味を持っていただいていると実感しました」とURの阿部絵里香は語る。URとともにOPENNUMAZUに取り組んでいるのが、地元の空間デザイン会社REIVERだ。代表の鈴木智博さんに話を聞いた。「市では将来的に駅前に広場空間を充実させる計画がありますが、それに向けて市民の方々が日常的にまちなかで過ごすことを習慣づけたいと考えています。私たちもURさんと一緒に、この取り組みを通して商店街や地域の方とコミュニケーションをとりながら、みんなを巻き込む空気づくりを進めていきたいですね」今後、沼津駅前は鉄道の高架化に伴い大きく変貌を遂げていく。線路によって分断されていた南北の市街地が一体化し、慢性化していた渋滞も解消。鉄道施設が移転することで、駅前には新たな駅前広場なども誕生する予定だ。URの河野裕一は、「沼津のまちづくりは、沼津市で進める鉄道高架化の事業と歩調を合わせた長期的な視点が必要です。ダイエットと同じで、急激な変化にはリバウンドがつきもの。既存の商店街などの良さも生かしつつ、地域の方たちと話をしながら、時代に合わせてゆっくりと更新していく。古いものと新しいものが共存してこそ、このまちの魅力が生きてくるのでは」とこれからの展望を説明する。新幹線に乗れば横浜、東京もすぐ。観光地である伊豆に隣接し、海や山などの自然環境にも恵まれたまち、沼津。より魅力的に生まれ変わるために、URのまちづくりの知見と経験が生かされている。16UR PRESS vol.76上/沼津市が沼津駅前に設置したパークレット。木製のオシャレなデザインで、季節の花の植栽などもあしらわれている。左/人口約19万人を抱える沼津市。地元の人に言わせると、「沼津駅前はごく普通」。自由にくつろげる空間が少ない印象のようだ。上/駅前から延びる沼津仲見世商店街。「OPEN NUMA ZU」の取り組みが始まると、それまで減っていた若者の来訪者が、少しずつ増えてきた。右/アーケード内の自転車を禁止するのではなく、柔らかく誘導する立て看板。REIVERが発案して作成、商店街に寄贈した。URの河野は、「鉄道高架事業と歩調を合わせ、時間をかけて変化していければ」と語る。To the next generation NUMAZU「OPEN NUMAZU Weekend2023」を推進するメンバー、左から沼津市の岩崎さん、URの阿部、REIVERの鈴木さん。

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