モリ舎の橘麻里さんだ。江戸時代に大地主からまちの管理を任された家■守■の現代版を目指し、地域の活性化に取り組んでいる。このように魅力的な活動をしている団体が和歌山市には他にもたくさん存在するのだから驚く。2015年から和歌山市のまちづくり支援を行っているURは、や公共空間の利活用など、新しいまちづくりを協働で推進することを目的とした連携協力協定を、市と新たに締結。ウォーカブル推進都市の取り組みに関することや都市再生推進法人との連携など官民連携まちづくりの推進に関する支援をしている。「正直なところ学ぶことのほうが多いのですが……」と話すのはURの吉田英雅だ。岡山県津山市や鳥取県米子市でのまちづくり支援の経験を生かし、昨年、和歌山市内の複数のイベントを回遊する企画「INTHELOOP」開催に向けての話し合いでは、「やりたいけれど大変だという、皆さんの大変な部分を我々がお支えできれば、とお伝えしました」と振り返る。「吉田さんが移動手段としてパーティーバイクを提案してくれたことで、『INTHELOOP』の話が一気に進み、近未来を感じられるイベントになりました」と紀州まちづくり舎の吉川さんは言う。和歌山駅の間は約2キロ。歩くと和歌山城などを巡回する9人乗り自転車「パーティーバイク」で移南海電鉄の和歌山市駅とJRの ■ 動が楽になるだけでなく、未来の風景を共有して新たな価値を見出せるだろうと吉田は考えたのだ。1カ月にわたって開かれたそのイベントの話を聞いていて感じたのは、皆さんの関係のよさだ。「それぞれができることを持ち寄って一緒にやっています。行政の人たちとの距離感がとても近いんです」とIN THE LOOP 2023の実行委員長を務めた橘さん。今後URに期待することとして、和歌山市の中村さんは「市では動きにくい部分の支援」を。プレイヤーの方々からは、「他の地域でのまちづくりの情報提供」を。そして「他の地域の方と交流したい」「URまちづくりサミットなんていかがですか?」と話がどんどん進み、盛り上がっていくのだった。活動の連携をサポート12UR PRESS vol.76上/第2日曜日に北ぶらくり丁商店街で開かれるマーケットイベントは、月ごとにテーマが変わる。12月は「冬のパン祭り」でいろいろなパンが並んだ。右/北ぶらくり丁商店街。「ぶらくり」とは「ぶら下げる」の意味。毎月第1火曜日7時からの朝ごはんの会「はじめ食堂」ではテーブルと椅子が並べられる。2023年10月に開催された「IN THE LOOP 2023」では、ヨーロッパのビアバイクをモデルにしたパーティーバイクが移動手段に。To the next generation WAKAYAMAまちづくりに関わるメンバー。前列左から和歌山市の中村さん、小川さん、橘さん。後列左から3番目が吉川さん、5番目が吉田。和歌山市は2021年に国土交通省の「新しいまちづくりのモデル都市」に選定されている。30分以上かかるので、2つの駅や21年にウォーカブルシティの実現
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