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特集:団地を超えて「まち」へ 新しいまちの魅力づくりへの挑戦が始まっている > 江戸東京博物館

URPRESS 2018 vol.48 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

昭和30年代のひばりが丘団地に
江戸東京博物館でタイムトリップ!

永井美奈子さん

フリーアナウンサーの永井美奈子さんが、江戸東京博物館を訪ねた。お目当ては、高度経済成長期の集合住宅の暮らしを再現した展示の見学だ。

※通常は展示の内部に入ることはできません。

永井美奈子(ながい・みなこ)

フリーアナウンサー。日本テレビアナウンサーとして、「マジカル頭脳パワー」「24時間テレビ」など数多くの番組を担当。現在は、クラシックコンサートやイベントの司会、講演会、朗読等を中心に活躍中。慶應義塾大学研究員。二児の母。

「あった、あった、こんなのあった、懐かしい !」

団地の展示を前にした永井さんが何度も歓声を上げた。視線の先には、ブラウン管テレビや電気釜などの電化製品、そしてダイニングキッチンに置かれた椅子や時計などのあれこれ、どれもリアルだ。

江戸東京博物館の「高度経済成長期の東京」の暮らしを紹介するコーナーには、今号の特集で紹介している、ひばりが丘団地の住戸の一部が実物大で展示されている。
「東京の集合住宅の変遷を紹介するにあたり、昭和34年に広大な敷地に誕生したひばりが丘団地を再現して展示しています。天皇陛下が皇太子時代に美智子様と視察されるなど注目を集めていました」

と説明する同館の学芸員・津田紘子さんの案内で、今回は特別に展示の室内にも入れてもらった。来館者の会話が弾むようなリアルな再現にこだわり、取り壊しが始まっていたひばりが丘団地にも足を運んで、実際に使用していた部材を譲り受けたり、当時の職人を探して木製の浴槽を造ってもらったりしたという。

ダイニングキッチンにステンレス製の流し台が設置され、浴室と水洗トイレ、壁掛型洗面器まで住戸内にある団地暮らしは、当時最先端であり、庶民の憧れだった。
「団地ができる前の日本の家は、食事のときには居間にちゃぶ台を出し、それを片付けて布団を敷いて寝るというスタイル。ダイニングキッチンの登場により、食事と寝る部屋が別になり、また、お母さんも家事をしながら会話に加わることができ、家族だんらんの新しいかたちが生まれました」

そんな津田さんの説明にうなずく永井さん。小学生の頃は近所にあった巨大団地内の公園で友達と遊びまわっていたという。
「当時に比べて生活が便利になった一方で、いま自分が子育てしているなかで、個食や家族がそれぞれ別の部屋で過ごす時間が多いことなどを考えると、当時は家族の距離がもっと近かったなあと懐かしく思いました」

アンティーク店に並んでいそうなものがたくさんあって、記憶がいくつも蘇ったという永井さん。昔の団地の展示でこんなに楽しめるなんて思わなかったと驚きながら、江戸東京博物館を後にした。

ひばりが丘団地の展示は、2015年の館内リニューアルで誕生。間取りのなかで一番多かった2DKの一部を実物大で忠実に再現している。
学芸員の津田紘子さん(左)の説明を聞きながら、三種の神器といわれたテレビ、洗濯機、冷蔵庫をはじめ当時憧れの電化製品や家具が並ぶ室内を楽しむ永井さん。
かつては共同だった洗濯場。ひばりが丘団地では効率よく動けるバルコニーに洗濯機置き場と水道が設置されている。

江戸東京博物館

江戸・東京400年の歴史を楽しく学べる博物館。
ひばりが丘団地の展示は、5階の常設展示室東京ゾーンにあります。
東京都墨田区横網1-4-1 Tel 03・3626・9974 
9時30分~17時30分(土曜日は~19時30分)、閉館の30分前までに入館
月曜(祝日、振替休日の場合は翌日)、年末年始休み

団地のお部屋再現

国立歴史民俗博物館 (赤羽台団地)

「戦後の生活革命」をテーマにした展示コーナーに、昭和37年に建設された赤羽台団地(東京都北区)のダイニングキッチンなどが実物大で展示されている。
千葉県佐倉市城内町117
Tel 03・5777・8600(ハローダイヤル)

松戸市立博物館 (常盤平(ときわだいら)団地)

昭和30年代、松戸市が大規模な住宅都市へ変貌する転機となった、4,800戸を超える常盤平団地の室内を復元展示している。
千葉県松戸市千駄堀671
Tel 047・384・8181

UR都市機構 集合住宅歴史館 (蓮根団地ほか)

昭和32年に建設された蓮根団地(東京都板橋区)をはじめ、晴海高層アパート、多摩平団地などを移築・復元展示し、集合住宅技術の変遷をたどる。事前予約制。
東京都八王子市石川町2683-3
Tel 042・644・3751(UR都市機構 技術・コスト管理部 技術管理分室)

スクエアJS

URの集合住宅の改修技術や製品の開発を担当する日本総合住生活株式会社(JS)技術開発研究所。事前に予約すれば、実験用に設置された昭和40年代の団地の住戸や開発商品など施設内を見学できる。
埼玉県さいたま市桜区田島7-2-3
Tel 048・714・5000

開館日や時間、入館料などは各施設に直接ご確認ください。

【妹尾和子=文、佐藤慎吾=撮影】

建て替えを機に多世代がつながるまちが生まれた

約60年前、当時最先端の住まいとして誕生したひばりが丘団地。
建て替えを機に、民間デベロッパーとパートナーの関係を結び、多様な世代の人々が生き生きと暮らす、新しいまちが生まれている。

部屋が変われば団地が変わり、まちが変わる!

大阪市大正区にある千島団地は、区役所や公園に隣接した、まちの中心地に立つ2236戸の大型団地。
築44年が過ぎて高齢化が進み、空き住戸も増えている。
ここで大正区と民間業者も巻き込んで、DIYでまちと団地を活性化させる新たな試みがスタートした。

昭和30年代のひばりが丘団地に江戸東京博物館でタイムスリップ!

フリーアナウンサーの永井美奈子さんが、江戸東京博物館を訪ねた。お目当ては、高度経済成長期の集合住宅の暮らしを再現した展示の見学だ。

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