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ベランダ菜園の楽しみ(10)

URPRESS 2016 vol.47 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

花も葉も実も可愛いスナップエンドウ

たなかやすこ
ベランダ菜園の楽しみ(10) コンテナに支柱を立てて育てます。春のグリーンカーテンにもなります。

春が旬のエンドウ豆は、成長途中に冬の寒さに耐えさせることで、甘くおいしい実ができます。種のまきどきは11月頃。12月から2月のもっとも寒い季節を10~15センチ程度の小さい状態で越せるように、タイミングを逃さずまきましょう。まくのが早すぎると、大きく育った状態で冬を迎えることになり、寒さで枯れてしまうことがあります。

エンドウを自分で栽培するなら、ぜひその姿形をじっくり観察してほしいと思います。花の形、葉の形、どちらも独特でかわいらしく、見飽きることがありません。さやの中に兄弟のように実が並んでいる姿には生命の力を感じます。

エンドウには、実がふくらむ前に食べるサヤエンドウ、さやは食べず中の実だけを食べる実エンドウ(グリーンピースなど)、実もさやも食べられるスナップエンドウの3タイプがあります。品種によっては赤やピンクの花のものもあり、2つ以上の品種を栽培するのも楽しいですが、1種類だけ栽培するなら、食べごたえもあり、実エンドウより短い期間で収穫できるスナップエンドウをおすすめします。

エンドウの仲間は、春が近づいて暖かくなると一気に成長のスピードを早めて丈高く伸びるので、我が家では春のグリーンカーテンとして毎年楽しんでいます。

花も葉も実も可愛いスナップエンドウ花とさやは紫色で、中の実はグリーンの「ツタンカーメンのエンドウ」という実エンドウの品種。ツタンカーメンの墓で発見された種をイギリス人が持ち帰り、その後、世界中に広まったそうです。
スイートピーのような赤系の花が咲くエンドウもある。スナップエンドウの花は白。

【田中淳=撮影】

育ててみよう! エンドウ

11月頃に種をまき、春に収穫できます。支柱を立て、「つるあり」の品種を育ててみましょう。
  • step1

    最低でも60センチ程度のコンテナを用意します。1.5センチの深さの溝を2列掘って、種をまきます。小さいうちは風に弱いため、やや密集させて育てたいので3粒ずつ点まきにします。発芽したら、元気のないものを間引きます。

  • step2

    寒さと土の乾燥を防ぐために、株元にわらを敷いて育てます。肥料はほとんど必要ありません。冬の間は成長がゆっくりですが、2月下旬頃には成長のスピードが速くなるので、その頃までに支柱を立てます。高さ180センチの支柱を6本程度立て、横に麻ひもを渡します。

  • step3

    開花後20~25日たち、さやがぷっくり太ったら食べ頃です。収穫してすぐにゆでると、本当に甘くておいしいです。ぜひ春の味を楽しんでください。

point! つるありがおすすめ

エンドウには、「つるあり」と「つるなし」があります。コンテナで栽培する場合は「つるなし」が推奨されることが多いようですが、私は断然「つるあり」をおすすめします。長い期間収穫でき、「つるなし」に比べてかなりたくさん収穫できます。逆にいえば「つるなし」は、収穫期間が短く、すぐに終わってしまう感じです。「つるあり」は支柱を立てる手間はありますが、エンドウに使った支柱は、そのままきゅうりやゴーヤーなど夏野菜に使えます。
※「つるなし」も支柱は必要ですが、低くてよいので多少楽です。

プロフィール

たなかやすこ

イラストレーター、ガーデニングクリエイター。
1957年北海道小樽市生まれ。著書に『とれたての幸せ。はじめてのベランダ菜園』(集英社)、『おいしいベランダ菜園 シンプル&エコに育てる』(家の光協会)ほか。

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