街に、ルネッサンス UR都市機構

団地には「子どもの笑顔」が一番 アーバンラフレ虹ヶ丘中

URPRESS 2014 vol.42 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

3.アーバンラフレ虹ヶ丘中 愛知県
大学と連携して魅力ある団地をつくる

名古屋市の人気住宅エリア、星ヶ丘周辺にある団地「アーバンラフレ虹ヶ丘中(なか)」では、近接する椙山(すぎやま)女学園大学と連携して、魅力アップに取り組んでいる。

学年もさまざまな小学生たちが集まって、プラレールを走らせたり、ジオラマでまちを作ったり。このプロジェクトは全部で15回行われる予定。

団地の事務室だったスペースに、子どもたちが三々五々やってくる。「こんにちは」「名札つけようね」と出迎えるのは、椙山女学園大学教育学部、宇土(うと)研究室の学生たち。ここにはおもちゃの鉄道「プラレール」が敷設され、駅舎や名古屋城、ビルなどのミニチュアがあちこちに配置された本物そっくりのまちができている。このジオラマは子どもたち自身が作ったもの。今日来た子どもたちも、さっそく列車を走らせたり、ジオラマに加える木や建物を工作したりと、思い思いに遊び始めた。
「学校でも家庭でもない、放課後の時間を過ごせる“子どもの居場所”を団地に作ることが目的です。ジオラマ作りの遊びを通じて住んでいる地域への関心を高め、子どもたちの興味をさらに世界へと広げていく学びの場でもあります」
と宇土泰寛(うとやすひろ)教授。教員を目指す学生にとっても、子どもたちと接する絶好の機会だ。「得るものはたくさんある」と学生たちは言う。

このプロジェクトは、UR都市機構が椙山女学園大学と連携して始まった。大学側は団地の魅力づくりを支援する学術研究を行い、UR都市機構がそれを支援する。活動には大学の3つの研究室が関わり、他にも子どもが参加できるワークショップなどコミュニティー活性化のための催しや、住戸リノベーションプランの設計などを平成28年度末まで行う計画だ。

対象となるのは、名古屋市にあるアーバンラフレ星ヶ丘と、アーバンラフレ虹ヶ丘西・南・中・東の計5団地。これらの団地は、名古屋で住みたい街(まち)第2位の人気を誇る、地下鉄東山線の星ヶ丘駅周辺に点在する。子育て世代にも人気がある団地だが、都心の賃貸住宅ゆえにコミュニティー形成が難しい側面もある。
「そんな環境のもとで、若い人たちの知恵と力も借りて団地の魅力を上げていきたいと、大学との協定に至りました。UR都市機構にとっては、研究を応援することで社会貢献を果たすという意味合いもあります」
UR都市機構中部支社住宅経営部の団地マネージャー・所義高は言う。子どもたちと学生たち、そして様子を見に来たお母さんたちの間にもなごやかな会話が生まれ、笑顔が広がる。学生たち主導の取り組みは、団地に新風を吹き込み、交流を育んでいくことだろう。

「教育実習とは異なる立場で小学生と接するので、学生にとっても大切な体験になる」と話す宇土教授(左から2人目)と、研究室の学生たち。
プラレールをうまく走らせようと、子どもたちは夢中だ。

【西上原三千代=文、佐藤慎吾=撮影】

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