街に、ルネッサンス UR都市機構

ベランダ菜園の楽しみ(3)

URPRESS 2015 vol.40 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

春のはじめに小カブの種をまく

たなかやすこ
ベランダ菜園の楽しみ(3)

大寒から立春にかけては、1年のうちでもっとも寒さの厳しい季節。ベランダでの作業もちょっとつらい、こんな季節の楽しみは、春からの栽培計画を練ることです。種苗会社からカタログを取り寄せて、今年はどこに何を植えようか考えていると時間を忘れるほどで、これを「こたつ園芸」といったりします。

春になったらまず栽培を始めたいのが、生育適温が比較的低い(15度程度)カブ。カブは葉もおいしいので、間引いたものも料理に使いつつ、大きく育てていく楽しみがあります。とても小さなうちは、姿のままお吸い物などに入れても素敵ですし、若いカブは皮をむかずにそのままサラダにしてもとってもクリーミーです。

大きく育てたものを、土からぐっと引き抜くときの収穫の楽しさは根菜ならでは。ベランダで畑仕事の雰囲気が味わえるので、小さなお子さんがいるおうちではとくに楽しめると思います。

私は、雑貨屋さんで見かけた新聞ストッカーを栽培に利用しています。素材はジュートで内側には透明フィルムがラミネート加工してあり、深さは25センチほど。このように、プランター以外の容器を工夫して栽培に使うのも楽しいものです。

カブは日本人にはなじみの深い野菜で、とても古くから栽培されてきました。地方色豊かな品種もいろいろあります。地元の品種を育てるのもいいですし、生まれ故郷の品種を取り寄せて種をまいてみるのも、ベランダ菜園の楽しみの一つでしょう。

【田中淳=撮影】

ジュートの新聞ストッカーをプランターに利用することもできる。 ジュートの新聞ストッカーをプランターに利用することもできる。鉢底石はネットに入れて使うと再利用の際に便利です。

育ててみよう小カブ

カブは大きさによって小カブ、中カブ、大カブに分けられますが、ベランダ菜園におすすめなのは直径5、6センチの小カブ。ここで紹介しているのは、あやめ雪という品種。春まきは50日ほどで収穫できます。

step1

たっぷりと水をやった土に、深さ1センチの筋を2本つける。筋と筋の間隔は10センチ。そこに1センチ間隔で種を一粒ずつおき、指で土をかぶせる。
※プランター以外の容器を使う場合は、底に必ず小さな穴をいくつかあけること。

step2

  • 水やりをすることで、土中に新鮮な空気を送り込むことができる。

  • 本葉が出てきたら少しずつ間引き、本葉4、5枚のときに株間6センチになるように間引く。間引いた葉も味噌汁などに使う。表面の土が乾いたら水やりはたっぷりと。水やりをすることで、土中に新鮮な空気を送り込むことができる。

  • 間引き菜も、だんだんカブらしくなってくる

step3

間引いていると、残した株もぐらぐらしてくるので、増し土をして株を安定させる。

step4

直径6センチ程度に育ったら本格的な収穫です。

プロフィール

たなかやすこ

イラストレーター、ガーデニングクリエイター。
1957年北海道小樽市生まれ。著書に『とれたての幸せ。はじめてのベランダ菜園』(集英社)、『おいしいベランダ菜園 シンプル&エコに育てる』(家の光協会)ほか。

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