Profile

黒瀬 智奈美

入社:
2016年
専攻:
家政学部生活造形学科
研究内容:
リノベーション団地でのコミュニティ支援

学生時代から、URとは縁があった。大学3年生の頃、URの団地リノベーションの企画コンペに応募し受賞。その企画は、その後実現された。以来、大学では団地内のコミュニティ醸成が研究テーマとなった。

Career

  • 2016年:

    東日本都市再生本部事業企画部
    まちづくりを構想するコーディネート業務

  • 2018年:

    西日本支社住宅経営部保全企画課
    法申請業務に従事

  • 2020年:

    西日本支社大阪エリア経営部ストック技術課
    UR賃貸住宅のストック住戸内改修等

ハードとソフトの両面から暮らしを創る。
そんな仕事に惹かれて。

黒瀬さんは、学生時代からURと縁があったと聞いていますが。

内装に興味があったことから、3年次から建築を専攻していました。その頃、URが学生に向けて募集した団地リノベーション企画のコンペを目にし、応募したことがきっかけです。生活動線を考慮し、収納機能に着目したリノベーションを企画。見事受賞を果たし、実際に施工もしました。その後、UR団地でのフィールドワークを行い、築年数が数十年経過した団地のコミュニティ支援などを研究しました(京女×UR)。

就職活動はいかがでしたか。

就活では、「住」に関わる企業を数多く回りましたが、学生時代に関わったURの仕事に最も魅力を感じました。URは単に家の売買や賃貸で収益を上げることだけが目的ではなく、団地という場でハード(住戸、設備等)とソフト(コミュニティ醸成等)の両面から、暮らしを創っていく仕事であることに惹かれて入社を決めました。

現在は、大阪府内の賃貸住宅を管轄しているそうですね。
どのような仕事をしているのですか。

大阪府南部にある泉北エリアは、築後数十年を経過し、老朽化が見られる団地も多く、今後持続的に賃貸住宅の経営をしていく上で、築年数の経過した建物の活用は重要な要素になります。空き家や共用空間、屋外空間を魅力的な空間にすることで団地のポテンシャルを引き出し、お客様に団地に住みたいと思ってもらうことが私のミッションです。

暮らし方、住まいのトレンドをキャッチし、プラスαの提案を。
入居者に、確かな満足を提供するために。

住戸改修の具体的な業務を教えてください。

空き家が発生したら、現地を確認し、工事に関わるメンバーと共に、改修プランを考えます。LDKに間取り転換するか、和室を洋室にするか、キッチンはシステムキッチンにするか、床材や壁紙はどうするか等々、細かな仕様まで決めていきます。お客さまが住まいに何を望んでいるか、トレンドは何なのか、そういった要素を取り込みながら改修のプランニングを進めます。もちろんお金をたくさんかければ良いプランはできますが、限られた予算内で、施工のしやすさも考慮して、お客さまに気に入ってもらえる住戸を作るのは難しくもあり、楽しい仕事です。ただ、最近思うのは、魅力的な住戸をつくれば、それだけで早期入居、定住促進が実現されるのか、という点です。つまり単に住戸というハードだけではなく、ソフト面の訴求も必要だということです。

ソフト面からの訴求とは。

団地に長く住んでもらうためには、私たちが改修にあたってイメージした住まい方に、共感して入居していただけるようにすることが大切だと思います。まずは見てもらうことが必要なのでPRを強化すること。また実際にお客様と接するハウジングアドバイザー(HA)に改修した住戸のコンセプトや思いを共有し、お客様に伝えてもらうことが大切です。また当たり前ですが、入居した後にはその団地でお客様の暮らしが営まれる訳なので、住戸に限らずその団地で心地よく楽しく暮らしていける仕組みづくり、場づくり、人とのネットワークづくりも重要だと感じています。

確かに、つくって終わりでは、お客さまに届かないですよね。
最近はその他にも新しい取り組みを進めているそうですが。

新しい試みとして、改修プランと改修前のベーシックプランをモデルルームとし、一緒に見てもらうという取り組みを始めました。やはり実際に団地に来て、肌で感じてもらうことが、団地や住戸の魅力を最大に感じてもらう近道だと思ったからです。また、住戸のプランニングに加えて、住まい方まで提案したいくつかのプランを見てもらうことで、お客様がどんな暮らしをしたいか考えてもらうきっかけになればと思いました。団地にもっているイメージがいい意味で変わってくれることを期待しています。

なるほど、若い方の入居にもつながりそうですね。

実際に、堺市と連携して「若年層を取り込み、住み続けてもらう」ことをテーマにした改修事業を手がけたこともあります。高齢化が進む団地でも、若年層を取り込み、多様な世代が交じり合い活き活きと暮らし続けられるまち・住まいを創造することは、持続可能の観点からも重要です。堺市とのプロジェクトでは、住戸の改修に加えて、共用部である集会所の一部をカフェスタイルにし、人が集まりたくなる空間に改修しました。実際に、若年層の入居者が増えてくるか、団地内のコミュニティ醸成にどのように影響するのか、今後の推移を見守る必要がありますが、UR団地の活性化、コミュニティ醸成の取り組みとして、意義深いものだと感じています。

Day Schedule

  • 9:00

    出社。メールチェック

  • 10:00

    泉北エリア班で
    住戸改修の担当者間打ち合わせ

  • 11:00

    改修工事の発注業務

  • 12:00

    昼食

  • 13:00

    外出。団地へ移動

  • 14:30

    空き室となった住戸の調査及び改修終了の住戸確認・検査

  • 17:40

    現場より直帰

長期的な目線で、団地の未来を育む。
私の変わらない目標。

My Future

これからも団地に携わり続けていきたいですか。

もちろんです。住戸改修は、企画したものがカタチになり、入居までを見届けられる、魅力ある仕事です。成果が目に見えるので、やりがいも感じています。ただ、常に思うのは、つくって終わりではなく、団地全体を長期的な目線で考えたい。団地は常に生きていて、変わり続けています。そうした観点から、「団地の未来を育んでいく」。そんな姿勢で臨んでいきたいと思っています。その際にもっとも大切なのは、お住いの方々と交流して良好な関係を築き、その生活に寄り添い、お住まいの方も含め団地に関わる全員で一緒に団地を考えていくことです。これからも、団地をもっと良くしていきたい。住み続けたいと思ってもらえる団地にする。その目標はきっと変わることはないと思います。