project member

  • 船塚 清隆

    東日本賃貸住宅本部 千葉エリア経営部 担当課長

    1991年入社。ニュータウン開発のインフラ整備領域で経験を積む。2016年に異動し、ウェルフェア担当の課長に就任。プロジェクトの責任者として全体の指揮を執った。

  • 宇内 大樹

    東日本賃貸住宅本部 千葉エリア経営部 ストック・ウェルフェア推進課

    2015年入社。福祉領域への関心が高く、URに転職。プロジェクトの実務担当者を務め、行政や自治会、商店街、医療機関、介護事業者、住民との協議に汗を流した。

2014年、URは新たなまちづくりを発表した。
それは、あらゆる世代がつながる「ミクストコミュニティ」
それは、子育て世代、高齢者、若者たちが助け合い、語り合うまち。
今回の企画では、ミクストコミュニティの最前線を訪問。
新たなまちづくりに取り組む花見川団地の今を追った。

  • 日本の課題は、URの課題

    少子高齢化。コミュニティの希薄化。シャッター商店街。今、この国はさまざまな課題を抱えている。暮らしは、人間社会の基盤。見方を変えれば、団地には日本のこうした課題が集約されていると言ってもいい。URが管理する団地は約73万戸。そのうち約6割は昭和40年代、50年代に建てられ現在に続いている。しかし、高齢化していくのは建物だけではない。「私たちが担当する 花見川団地も例外ではありません」と語るのは責任者を務める船塚。「この5000戸を超える巨大なまちが誕生したのは昭和43年。竣工して約50年が経とうとしていますが、お住まいの方々についても時代の先を行く高齢化の状況にあると言えます」。船塚の言葉に、実務担当者である宇内も頷く。「医療・地域連携も大きな課題ですが、その一方で若者の流入がなければまちそのものがなくなってしまいます。どうすれば商店街が活性化するのか。どうすれば子育て世代が暮らしやすくなるのか。やるべきことをあげたら切りがありません」。

  • アクションが生むもの

    2014年に、花見川団地のプロジェクトは始動した。危機感の高まりからか、地域課題の共有のために立ち上げられた会議のメンバーには40名以上が集まったと宇内は語る。「行政だけでなく、医療法人、介護事業者、幼稚園関係者、商店街振興組合、自治会、民生委員の方々まであらゆる立場の方が積極的に参加してくださいました。これほどの規模となると日程を調整するだけでも労力がかかりますが、年2回ほど開催日を設けて議論を進めていきました」。船塚が就任したのは、6つにまでテーマが絞り込まれた段階だった。「行動を起こすにはいいタイミングだと思いました。試行錯誤できる現場があることはURの強み。議論することも大切ですが、やってみてはじめて浮き彫りになる課題もあると考えたんです」。船塚は、ひとつのニーズに着目。「どこに相談したらいいかわからない。そんな問題を気軽に話せる場がほしい」という住民の声に応えることを会議で提案。専門家を集め、年内に実現することを決めたのだ。

  • 広がる、助け合い

    船塚の提案を実現するための分科会は7月に結成され、10月21日には“よろず相談会”として第一回目となるイベントが実施された。「この日は商店街にたくさんの人が足を運んでくださって、実際に介護保険の申請が漏れていた方に手続きの案内ができましたし、親の介護をされている方に最適な支援制度をご紹介することもできました。もともとニーズがあることは分かっていましたが、セーフティネットとしての役割など新たな発見もありましたね」と語る宇内の言葉を、船塚が引き継ぐ。「看護師や介護職の方からも『やってよかった。普段、異業種の方との交流がないのですが、今回のイベントで横のつながりが生まれました』という言葉を頂いたんです。お住まいの方々同士の語り合い、交流が生まれたことも喜ばしいのですが、地域の医療・福祉を支えている方々をより深くつなげられたことは安心して暮らせる住環境形成にとって大きな意味があったと思っています」。

  • イベントからカルチャーへ

    今年、5度目を迎えたよろず相談会。成功事例となったイベントだが、船塚はさらに先を見つめている。「単発で開催するだけなら簡単なんです。むしろ続ける方がずっと難しい。日本全国に同じような課題を抱える地域は他にもありますし、URも永遠にサポートできるわけではありません。地域の方々が自発的にアクションしていくようなカルチャーを育まなければ、どんなに素晴らしい施策も持続させることはできないんです」。船塚に続き、宇内も頷く。「あくまで主役は地域の方々。こんなに人の役に立てた、そんな実感こそが、イベントをカルチャーへと育てていくための重要なファクターだと思いますし、私自身、ご協力いただいた方々に後日改めて結果報告するようにしています」。あくまで、よろず相談会は始まりに過ぎない。大学連携健康づくりプログラム。子ども向け学習クラブの支援。次々と生まれる新たな施策に奔走する2人。これからの暮らしやすいまちとはなにか。その答えを求めて、船塚と宇内は今日も団地で語り合う。