• 山口 香世

    東日本都市再生本部 都心業務部
    品川駅エリア計画課 計画担当

    2002年入社。2017年にチームに入り、計画担
    当として活躍。プロジェクトのスキーム、事業
    収支、換地手法について知恵を絞り、地権者や
    地方公共団体の関係者との協議に臨む。

  • 柴田 敏博

    東日本都市再生本部 都心業務部
    品川駅エリア計画課 基盤調整担当

    2002年入社。2015年よりプロジェクトに参
    加。基盤調整担当として、道路工事などのイン
    フラ整備に関わる調整に従事。電気やガス、水
    道などの関連企業との連携強化に励む。

  • 森 和子

    東日本都市再生本部 都心業務部
    品川駅エリア計画課 担当課長

    1996年入社。都市再生の指針となる「品川駅・
    田町駅周辺まちづくりガイドライン2014」の
    策定段階から参加。現在はプロジェクトリー
    ダーとしてチームを牽引する。

東京の山手線に新駅ができる。2014年、大きなニュースが日本を騒がせた。
世界と、東京をつなぐ国際交流拠点をつくる。
日本の今後を左右するプロジェクトは、どのようにして生まれ、どのように進められているのか。
チームメンバーにその苦悩、その信念を伺った。

  • 東京の玄関となるまち

    今、東京が生まれ変わろうとしている。品川と名古屋をつなぐリニア新幹線の整備。羽田空港の国際化で、より世界と近くなる東京。品川はグローバルシティとなるべく大きな一歩を踏み出したのだ。「旅行客は羽田空港から京急線に乗り、品川駅で降りる。そして山手線を活用して東京を味わい、リニアや新幹線を活用して日本を巡る旅に出かけます。まさに、品川駅は国際交流拠点としての新たなスタートを切ろうとしているんです」そう語るのはプロジェクトリーダーの森和子。駅だけではない。この場所が東京の玄関となるからには、日本のおもてなしを全身で味わえるような都市を生みださなければならない。「私たちが担当しているのは、品川新駅(仮称)周辺の土地区画整理事業。このまちをどのような都市にするのか、既存のまちとのつながりはどうするのか、地権者さまがどのような資産活用を考えておられるか。あらゆる観点からまちづくりを進めています」。

  • URだけの事業ではない

    国家をあげての都市開発である。当然、ステークホルダーも多く、行政、ディベロッパー、鉄道事業者、インフラ事業者、そして地権者は40名以上にのぼる。「都市開発という言葉はとても華やかですが、地権者の方々からすれば国家戦略に巻き込まれたようなもの。ご自身の資産だけでなく、生活にも大きく影響する開発への参画は、一般的な感覚からいって素直に受け入れられるものではありません」と語るのは計画担当の山口香世だ。国家戦略の実現はもちろんだが、このまちで暮らす人々の想いを決して見過ごしてはならないと言う。山口の言葉に、森が続く。「URの事業であって、URだけの事業ではないんです。みんなのまちであり、みんなの事業。だからこそ、私は関係者の意向を伺った上で自分が腹に落ちるまで考えるようにしています。ひとりの生活者として納得できるものを、地権者の皆さんにも説明すべきですから」。

  • いかに本音を拾うか

    今回の難しさは、複雑な連携体制にある。品川エリア全体で開発が進んでいるため、新駅だけでなく泉岳寺駅の改修など東京都主導の事業とも上手く連携しなければならない。「我々の事業だけを見ているとプロジェクト全体が破綻してしまいます。たとえば、JR線路下を走るトンネル構造の既存道路の再整備にあたっては、行政との協議の他、鉄道事業者や隣接する他の事業とも調整しながら緻密なスケジュールを立てなければなりません。」と語るのは基盤調整担当として奔走する柴田敏博だ。広域開発であるがゆえに、わずかな遅れ、わずかな伝達ミスが命とりになる。柴田の話に、森も頷く。「プロであればあるほど簡単に『仕事が遅れる』と口にすることはできません。スケジュールは、後になればなるほど取り返すのが難しくなります。いかに関係者の本音を聞き出すか。それが一番大切なことだと思っています。『この人になら相談できる』という信頼関係を構築する必要があるんです」

  • 未来への挑戦

    プロジェクトの完成予定は2026年。プロジェクトチームは今、10年後の未来をかたちにしようとしているのだ。「10年先のことを完璧に把握することはできません。時代が変われば新たなニーズ、新たな課題、新たな技術が出てきますし、これからもプロジェクトは変化しながら成長しながら引き継がれていくと思うんです。国際交流拠点のあるべき姿とはなにか。関係者みんなで悩みながら、みんなで答えを出しながら、世界中の人々が驚くような“日本の玄関”をつくってけたら嬉しいですね」と窓の外を見つめる森。10年後、たとえ異動していたとしても、3人はきっと品川新駅で再会するに違いない。プロジェクト完成の喜びを分かち合いながら、駅やビル、道路完成までの関係者たちの努力、葛藤に想いを馳せながら。3人は世界中から多様な人々が集まり、交流する姿を見つめているだろう。いいまちができたね。その手応えだけが、彼らにとっての報酬なのだ。