社会福祉法人みおつくし福祉会 「もりのこルーム」
地域のニーズに応えて、0歳から2歳までの小規模保育事業所を開設
「もりのこルーム」は、大阪市城東区にある緑豊かで静かな森之宮第2団地の中にあります。 隣接する森之宮団地建設当初に開園して、40年以上経つ今も多くの園児が通う森之宮保育園を運営する社会福祉法人みおつくし福祉会が、2017年4月に地域のニーズに応えた小規模保育園を同団地内に開設しました。「一人ひとりを大切に」をモットーに、地域の保育のニーズに応え続けている森之宮保育園・もりのこルームの山根孝子園長にお話しを伺いました。

森之宮保育園 もりのこルーム
園長 山根孝子氏
団地概要


【団地概要】
団地名: 森之宮第2
所在地: 大阪市城東区森之宮二丁目
アクセス:Osaka Metro中央線・長堀鶴見緑地線・JR 大阪環状線「森ノ宮」駅から
徒歩約9分又はJR 大阪環状線「京橋」駅から徒歩15 分
管理開始: 昭和51 年
管理住戸数:1,659 戸
事業主 | もりのこルーム |
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所在地 | 森之宮第2 団地 9 号棟 106 号室 |
開設 | 2017 年4月 |
事業概要 | 森之宮第2 団地団地周辺地域では、保育園に入園できない低年齢児の子ども達が多く、こういった地域の保育需要に応えるため、団地内で森之宮保育園を運営している社会福祉法人みおつくし福祉会が「もりのこルーム」を2017 年4 月に開設。 |
小規模保育事業「もりのこルーム」 開設の経緯・背景
地域住民の要望に応えて開設された「もりのこルーム」
低年齢児保育の「もりのこルーム」を開設した背景には、やはり、常に待機児童が多いということがありました。特に、0歳~2歳の低年齢児の入園が難しく、兄弟姉妹で遠い保育園と団地内 の森之宮保育園と別々に通園している方もいて、その大変さも聞いていました。そうした中で、この団地内で活動されている市民活動団体「団地の寺子屋」のおじいちゃん達が大阪市に小規模 保育施設を作って欲しいという要望を出しました。 私共も地域での必要性を感じていましたが、設立にあたっては、資金面等の条件もあってスムーズに話は進みませんでしたが、団地の寺子屋の方々が私共のところにも相談に来られたこともあって、それならばと、思いきってスタートすることになりました。

森之宮第2 団地を選んだ理由
家賃の手頃さと子育て支援へ好意的で前向きなUR の対応が決め手
「もりのこルーム」の開設にあたっては、最初は、母親が仕事に便利な駅前型と思い、物件を見て回りましたが、 ビルの中の一室で家賃が非常に高く手が出ませんでした。そんな折、ちょうど UR の空き店舗の情報を知り、話しを聞いてみた ところ、子育て支援に対して非常に好意的で前向きな対応をしてくださったことは理由として大きかったと思 います。この場所は駅からは遠いけれど、ちょっと歩くと池に魚がいたり、すぐ側の公園には遊具があります。 今の「もりのこルーム」は、軒下が広く、雨の日でも遊べます。団地内は安全に遊べる環境は充分にあり、環境の良さを考えると、やはり、こちらにしようと思いました。

団地の中にあるメリット
駅前にはない自然豊かで安全な環境の中で子育てができる
他の小規模保育園には園庭もなかったり、駅近いビルだが、高層でエレベータを使うなどした環境の保育園が多くなっている中、この森之宮第2 団地が全て自分達の庭のようなこの環境は最高だと思います。また、どんぐりの木や銀杏の木、他にも沢山の木々があり、銀杏の黄色い落ち葉の上に寝転んで遊んでいます。 管理も行き届いており、高齢者のイベント時には子供達が描いた絵を壁一面に貼るなどコラボしています。

同じ団地内に本園があることで、給食、運動会、催事全てを連携
家賃が安いことで、広い所を借りることが出来ましたし、改修工事などについても UR の担当者に、いろいろと相談にのって頂けたことは非常に助かりました。森之宮保育園としては、同団地内に開設できたことで、「もりのこルーム」で育った子供達が 3 歳になると、馴染みのある森之宮保育園への入園が他よりも優先される、ということはお母さん達にとっては安心されるようです。
また、給食の提供に 関しても新たに調理場を作らずに、森之宮保育園から運ぶようにしています。そして、何より子供達が楽しみにしている運動会や催事が2つの園が一緒に開催できることは非常に嬉しいことです。

地域みんなで支えあっていける環境がある
森之宮団地には、森之宮連合町内会があり非常に活動的です(百歳体操、ヨガ教室、おもちつき大会など)。また、孤立ネットワークを設立し城東区・連合町会・病院・地域の施設がその委員にあたり高齢者を見守っています。 保育園にも、保育ボランティアさんや緑花ボランティアさん、お清掃ボランティアさんが来てくださいます。また「団地の寺子屋さん」とは月に1回、世代間交流として訪ねていき、ゲームやおもちゃを一緒に作り、それで遊んだりします。時には大型紙芝居を披露してくださいます。おじいちゃん、おばあちゃんのことを「寺子屋さん、寺子屋さん」と呼んで一緒に楽しい時間を過ごしています。

今後のビジョン
地域に開かれた多世代交流の場としての園
保育園は福祉施設なので、在園児だけを保育しているという時代ではなく、社会福祉を共に考える所と思っています。おじいちゃん、おばあちゃんが入って来られて、職員と話をしたり、子供達の相手をしたりして半日を園で過ごして家に帰られるようなコミュニティの場でありたいと思っています。そんな考えを反映して、令和3年に開業をめざしている保育園には、「大人ラウンジ」を設置し、皆が楽しく集える場を作りたいと考えています。また、雨の日に遊ぶための屋内ホールも作り、いずれ地域に開放していきたいと思っています。1階には「相談室」を設け、転入者や悩みを抱える方々の支援の場にも使用したいと思っています。

URに期待すること
この森之宮第 2 団地は、森之宮病院も近く、セブンイレブンは孤立ネットワークでご飯の配達をしてくれ、独居の方の緊急時の電話で駆けつけて貰える見守り隊もあります。今建設中の特養が完成すると、高齢者の方々にとって安心できる場となり、今後、学童期の子ども達の居場所づくりを進めていけると幼少 期から高齢期までを過ごすことが出来るような自分達の『住処』となっていけると期待しています。