住まいの事例

Muto's Home 住みたい環境で理想の暮らしを、自分でつくる。

case study 008

武藤邸

千里津雲台(吹田市)

間取:3DK

笑顔が爽やかな武藤誠さん(28歳)と麻莉子さん(26歳)ご夫婦。理想とする家や暮らしを考えた時に、北摂エリアの緑豊かな環境に住みたいと考えていたそう。そんな中ネットで発見したDIY住宅。その条件に惹かれたと話します。 インテリアデザイン会社にお勤めの旦那様による、きっちりとした設計のもと作り上げられたお部屋は、真似したくなるようなDIYポイントがあちこちに散りばめられていました。

今回から新しい企画が誕生!「DIYで日本の賃貸を面白くしよう!」をモットーに、UR西日本支社発の若手職員が2013年から活動している『UR-DIY部』。この度、部員の中で選ばれしメンバーだけが加入できる特別ユニット「仮)イケメンズ」を結成!リーダー的存在の西村が、DIY住宅にお住まいのご家庭に訪問・インタビューするという企画です。さあどんな話が繰り広げられるのでしょうか!? (UR都市機構西日本支社 西村)

※今後の「仮)イケメンズ」の活動にもご期待ください。
UR-DIY部 FACE BOOK / INSTAGRAM
市内に住むより環境が良くて、家賃も三分の二になったなんて!
ーーーDIYに住むきっかけを教えてください
誠さん
もともと二人とも、仕事で市内に住んでいたんです。1DKで家賃も高くて、ビルに挟まれた、風が通らない部屋に住んでいました。
西村
それはツラいですね。
誠さん
当時は「設備が新しい」、「立地」、「築浅」を住宅の優先にあげていたというのもあります。
麻莉子さん
結婚というライフステージの変化によって、「これからの暮らし」を二人で見直した時に、優先順位が変わっていきました。子育てのことも視野に入れて考えた時に、環境に適した場所を考えたら、北摂がいいなと思っていたのですが、家賃相場と少し見合わなくて。
西村
なるほど。
誠さん
将来を見据えた暮らしをしていくにはどうすべきか話し合っていたところに、UR賃貸住宅を探し当てました。市内に住んでいた頃の家賃の合計よりずっと安かったんです。
西村
毎月のことですもんね。実際に住んでみてどうですか?
麻莉子さん
とても満足しています。緑が多いエリアで、道に木陰が広がっていたりするところも気に入っています。公園も近いですし。
西村
通勤の便はいかがでしょう?
誠さん
少し遠くなりましたけど、それを差し引いても、余りあるくらいです。家族の将来を考えたら、団地暮らしはものすごくいいです。
フランスの片田舎と団地って、雰囲気が似てるなって
ーーーどんなDIYをしたいと思いましたか?
誠さん
インテリアデザイン会社に勤めていますが、仕事で住宅設計は取り扱っておらず。自分が住む場所は自分でつくってみたい!と。
西村
なるほど、そのこだわりが部屋のあちこちから感じられますね。つくりたい部屋のイメージもあったんですか?
誠さん
築50年の団地の中を見た時に、良い意味での古き良き昭和の匂いを感じました。 そこで、良いなと思う部分を残すことを考えた時に、海外のリノベーションした古い家の感じとも合うと思いました。あとは、嫁がフランスの片田舎の感じが好きということだったので、そのイメージをベースに、シンプルにゆったり過ごせるよう作り上げていきました。
両家の親が、DIYを通して仲良くなりました
ーーーDIYこだわりポイントを教えてください!
西村
ドアがある場所はもともと襖ですよね?
誠さん
はい、撤去しました。開放的になってよかったんですが、いざ取ると、夏は暑い、冬は寒い、ということで、ドアをつくりました。
西村
熱効率のことを考えると、ドアがあるかないかだけでだいぶ変わりますよね。
西村
玄関のドアを開けた瞬間、「アパレルショップみたい!」と思いました。
誠さん
意識しました。アクリル窓がなければ比較的簡単に作れるのですが、見える収納にするなら玄関からの抜け感を作りたくて、あえてアクリルを窓のように設えたドアの設計にしました。
西村
その一手間でこんなに変わるんですね!
西村
この鏡は購入したものですか?
誠さん
これもつくりました。
西村
え!
誠さん
欲しいなと思っていた高価で手の届かないレザーベルトミラーをモチーフにしました。イケアの鏡とユニクロのベルトで、なんとトータル約7000円です。
西村
何かのデザインアイデア賞とか獲れそうです!全体の部屋の雰囲気とこの鏡がマッチしてますよね。
誠さん
床はかなり力が入った部分です。190センチの板を90枚使用しました。
西村
だいぶ時間もかかったでしょうね!
誠さん
床貼りはお互いの両親にも手伝ってもらって、2、3日で仕上げました。どちらの父親も大工仕事が趣味で。DIYを通して、家族が仲良くなりました。作業時は、ここに川の字になってみんなで寝ました(笑)
西村
キッチンスペースも色々こだわりがありそうですね。
誠さん
手前の可動式のキッチンカウンターは、キッチンの狭い作業スペースを広げることと、ゴミや食器の収納も兼ね合わせられたらと思ってつくりました。
西村
カウンターの高さも丁度いいですね、リビングソファからも作業中の手元が見えないので、作業しやすそうですね。
誠さん
アイレベルも気にして作りました。あと、リビングのテレビを見ながら料理できるようにも。ちなみにこれ、一万円くらい出来るんですよ。
西村
え!安いです。
誠さん
スチールラック2つに木の板をおいて、ステンレスシートを貼って、合板を貼るというだけなんです
西村
DIY初心者の方にもおすすめですね。
誠さん
襖の上部にある、鴨居を活かしています。鴨居は、日本の団地の良さだと思っているので、残しておきたくて。両側に板をつけて補強して、ちょっとだけ厚みと幅をつくっています。地震で揺れても簡単には落ちないように。
西村
小さな気遣いポイントが散りばめられていますね。
DIYに興味のある若い人たちと、もっと交流していきたい
ーーーこれからどんなDIY暮らしをしたいですか?
麻莉子さん
DIY仲間が欲しいです。同じ世代の人たちとご近所付き合いがしたいですね。DIYをしたことがない人って、何から始めたらいいかわからないと思うんです。インスタグラムなどで写真をUPすると、”どうやって作ったの?”とコメントをもらったりします。
誠さん
団地でこんな生活をしている人がいる!ということを発信していけば、若い人がもっと団地に住んでくれるんじゃないかと思います。また、DIY生活をしたいと思ってる人たちに、自宅を開放してもいいとも考えています。
西村
そういう住人さんが増えると嬉しいですね。
誠さん
原状回復しなくてもいい部屋が増えれば、若い人も団地暮らしがしやすいのかもしれません。結局、この四文字のために、普通の賃貸に住んでいて、やりたくてもやれない人がたくさんいると思うんです。DIY住宅というのは、今までの常識ではないことをやってくれていると感じます。費用的に見ても、僕たちの自宅DIYにかかった費用は、トータルで35万円前後です。これならチャレンジしたいと思う方もいるのではないでしょうか。
西村
今後のDIYスケジュールなどもありますか?
誠さん
夫婦2人の趣味の部屋をつくりたいので、DIY作業スペースとして活用できる場にしようかと。今後、子どもができたら、子どもが遊べるスペースに変えたいです。空間を自由自在にデザインできるのも、DIYの魅力ですよね。
2016年7月 取材・文:小倉千明 写真:平野愛
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