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賃貸でインターネットを利用するには?回線の種類や注意点を解説

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

普段はスマートフォンでインターネットにアクセスしていても、自宅では通信量を抑えられるようWi-Fiを利用したり、パソコンを使ったりする人が多いのでは? そうした自宅からのインターネットを、ストレスなく、コストも抑えつつ利用するには、自分の使い方に合った回線選びも重要になります。物件によっては選べない回線があるなど、借りる前に知っておきたい賃貸ならではの注意点を合わせて説明します。

賃貸でインターネットを利用する際の基礎知識

一般的に賃貸住宅でインターネットを利用するには、接続事業者(プロバイダ)や回線事業者との契約が必要です。

今では生活インフラの一部となったインターネット。引っ越し後すぐに使える状態ではない場合、どうすれば使えるようになるのでしょうか。

●賃貸物件でインターネットを利用するには?

賃貸物件の場合、後述する「インターネット完備」ではない物件では、利用開始までにいくつかの手続きが必要となる場合があります。

その手続きの一つが、インターネットに接続するサービスを提供する会社との契約です。これらの会社はインターネットサービスプロバイダ(ISP)、あるいは略してプロバイダと呼ばれます(プロバイダは商品やサービスを提供する事業者の意味)。日本で利用できる主なプロバイダには、通信会社(固定電話・携帯電話)、メーカーや小売業といった企業の関連会社のほか、各地の電力会社の関連会社などがあります。

こうしたプロバイダが提供するプランから選んで契約しますが、現在主流になっているのは「どの回線で使うためのプランか」という回線とセットになった契約です。賃貸物件には、電話やデータ通信を行う回線が設置されているため、その回線で使えるプランの中から選ぶのが一般的です。

インターネットへの接続では、ユーザーが回線に接続する部分を担うプロバイダに加え、回線を提供する回線事業者という2社のサービスを利用しています(回線事業者がプロバイダを兼ねる場合もあります)。本来はそれぞれに料金が必要ですが、前出のセットプランでは両社の料金をまとめてプロバイダに払うので、回線事業者の料金を意識することは少ないかもしれません。

また、既存の回線とは異なる回線を使いたい人は、基本的に新たな回線工事が伴います。これには大家さんまたは管理会社の許可が必要なので、勝手に工事の手配をしないよう注意しましょう。工事内容にもよりますが、許可が得られないことも考えられ、許可が得られても退去時には一般的に原状回復が求められます。

このようなプロバイダや回線の契約後、一般的には住宅内でインターネットに接続するためにパソコンやタブレット型端末、スマートフォンなどの設定を行います。契約したプランによっては、複数の端末を同時にネットに接続させる機器の設定も必要になります。

●「インターネット対応」と「インターネット完備」の違い

プロバイダや回線事業者との契約に深く関係するのが、「インターネット対応」や「インターネット完備」のような物件ごとの通信設備の状況です。

インターネット対応物件とは、回線を利用するための工事が建物の共用部分までは済んでいる物件のこと。プロバイダと契約するとインターネットを使うことができます。共用部分から各住宅までをつなぐ工事が必要なときは、プロバイダから工事担当者が派遣されます(無派遣で工事可能な場合もあります)。一方、インターネット完備物件とは、回線を利用するための工事とプロバイダ契約の両方が済んでいる物件のこと。入居後に設定を終えれば、インターネットを使えるようになります。

●「インターネット無料」物件とは

賃貸物件の紹介情報などで見かける「インターネット無料」物件とは、インターネット完備の物件のうち、インターネットが無料で使える物件のことです。無料とはいってもその料金を加味して家賃や共益費(管理費)が決められている場合もあるので、その地域の家賃・共益費の相場も検討して物件を選ぶことが大切です。

そうしたインターネット完備または無料の物件では、プロバイダや回線事業者と新たに契約しなくて済む分、通常は決められたプロバイダや回線を使うことになります。

賃貸住宅のインターネット回線の種類

個人が使えるインターネット回線には複数の種類があり、通信速度や利用料金も異なります。しかし最も利用率が高い光回線でも、すべての物件で使えるわけではありません。

総務省『令和2年通信利用動向調査』(2021年6月公表)によると、自宅のパソコンやタブレット型端末などで利用するインターネット回線は、光回線(57.7%)が最も多く、携帯電話回線(57.3%)、ケーブルテレビ回線(16.6%)などが上位となっています(自宅でインターネットを利用する世帯が対象。複数回答による)。

このほかに、既存の設備を使うADSL、一部が光回線になったVDSLなどがあり、これらの違いをまとめると以下のようになります。

●光回線

光回線は、ほかの回線に比べて通信速度が速く、通信環境も安定しているとされる「光ファイバーケーブル」でデータをやりとりします。大量のデータが送られる動画配信サービス、応答速度の速さや安定した通信環境が重要になるオンラインゲームなどにも適した回線といえます。

光ファイバーケーブルは、通信会社がこれまで使ってきたメタル回線の代わりとして、各社の通信設備がある基地局から一般の建物の共用部分まで敷設しています。さらに基地局から各住宅まで光ファイバーケーブルがつながった環境はFTTH(Fiber To The Home)と呼ばれます。

なお、前述の「インターネット対応物件」では、光ファイバーケーブルが各住宅まで設置されていません。「インターネット対応物件」で光回線方式のインターネットを使いたい場合、プロバイダにより各住宅まで光ファイバーケーブルを引き込む工事を行う必要があります。

●住棟内LAN

住棟内LAN方式は、建物の共用部分まで光ファイバーケーブルを使い、建物の中では設置されたLANを使用する方式です。住宅内にあるLANコネクタにLANケーブルをつないでインターネットに接続します。

●VDSL

VDSLは建物の共用部分まで設置済みの光ファイバーケーブルを使い、そこから各住宅までは一般の電話回線を使って、比較的高速なデータ通信を行う方式です。電話回線の差し込み口(モジュラージャック)に音声データと通信データを分ける装置をつなぎ、音声は電話で、データはパソコンなどで利用します。電話回線のためほとんどの地域で手軽に利用でき、利用料金も光回線に比べると抑えられます。その一方で、光回線よりは通信速度が遅く、安定しない場合もあります。

なお、基地局から各住宅まですべて電話回線を利用するADSLは、利用者が減ったことなどで、2023年から2024年にかけて提供各社がサービスを終了する予定です。

●モバイル回線

基地局とのデータのやりとりを、光回線やADSL・VDSLは有線で行うのに対し、モバイル回線は電波によるワイヤレス接続で行います。自宅にその電波を送受信する端末を置き、パソコンやテレビなどを基本的にワイヤレスで接続します(有線で接続する方法もあります)。

端末には持ち運びが容易なモバイル型(モバイルルーター)、室内に置いて使う据え置き型(ホームルーター)があり、端末のタイプと使用する通信規格によって通信速度が異なります。注意したいのは、契約するプロバイダや契約プランによって月ごとのデータ使用量が決まっていることがある点。気になる人は、所定の日数の間に決められた以上のデータ通信を行う(例えば3日間に10GB以上)と一時的に速度制限があっても、月間の通信量は無制限になるプランなどがおすすめです。

●ケーブルテレビ回線

ケーブルテレビが見られる物件には、建物内にテレビの映像・音声データを各家庭に配信するケーブルが設置され、基地局から建物までは光ファイバーケーブルでつながっています。多くのケーブルテレビ会社は、この回線をインターネットにも使うサービスを提供しています。

ケーブルテレビ回線は比較的安定した通信環境、視聴契約とのセット割引などでメリットが感じられる場合もあります。

賃貸のインターネット利用に関する注意点

プロバイダ選びと回線選びは、インターネットをストレスなく利用するための大事なポイント。選び方によってはコストにも差が出てきます。

インターネット環境は、動画などを多く見るか、外出先でも使うかなどの利用シーンを考えながら、それに合ったプロバイダの契約プランと回線を選びます。

●回線やプロバイダは利用目的に合わせて選ぶ

SNSやメールだけでなく、音楽や動画の配信サービスの利用、動画共有サイトへの投稿、オンラインゲームなど、インターネットでエンターテインメントを存分に楽しみたいなら、通信速度が速く、大量のデータ通信にも対応できる光回線が向いています。
ただし同じ光回線でも、プロバイダによって通信速度が違う場合もありますから、気になる人は通信速度の比較サイトなども参考にしてはいかがでしょうか。
なお、主なプロバイダには、通信会社(固定電話・携帯電話)、メーカーや小売業といった企業の関連会社のほか、各地の電力会社の関連会社などがあります。

せっかく引っ越すなら、ケーブルテレビで豊富なコンテンツを見られる物件を選びたいという人は、工事などの手間がかからず利用できる、ケーブルテレビ回線を使ったインターネット接続プランも選択肢になります。コンテンツの視聴料とのセット料金で、プロバイダ+回線事業者の契約より費用を抑えられる可能性もあります(ケーブルテレビ会社によって料金は異なり、割高になることもあります)。

料金が気になる人は、携帯電話とのセット割引が適用されるプロバイダを選ぶ方法もあります。また、工事の費用が無料、所定の条件を満たせばキャッシュバックがある、一定期間は利用料金が実質無料、などのキャンペーンを上手に利用することも考えましょう。

●モバイル回線と固定回線を比較検討する

モバイル回線は、前出の通信利用動向調査で利用率2位の「携帯電話回線」に含まれると考えられ、自宅からのインターネット利用で一定の割合を占めています。特長は基地局と端末(モバイルルーター・ホームルーター)とのワイヤレス接続でインターネットを利用できること。住宅内に設置された光回線やケーブルテレビ回線などの固定回線に比べ、建物内の回線工事や室内の配線などが基本的に不要で、手軽に使い始められるメリットがあります。持ち運びしやすいモバイル型なら屋外でも利用できます。一方で、通信速度や安定性は固定回線の方が有利です。

なお、モバイル回線の通信規格にはWiMAX、4G/LTEなどがあり、通信速度は端末のタイプと、それらが利用する通信規格の組み合わせ方で異なります。4G/LTEは主に通信会社の端末で使われ、WiMAXは一部のプロバイダの端末で使われています。

UR賃貸住宅なら高速インターネット対応物件が見つかる!

引っ越しを機に高速なインターネット環境を整備したい人は、「光配線」、「VDSL」、「CATV」などインターネット接続の条件で探せるUR賃貸住宅にも注目です。

UR賃貸住宅は、UR都市機構が提供する賃貸住宅ブランドで、すべての物件において耐震基準※で求められる耐震性を確保し、必要に応じて部屋の設備を更新するなど、安全で快適な住まいを提供し続けています。加えて、引っ越しにかかわる初期費用が抑えられるなど費用面でのメリットも。もちろん高速なインターネット環境に対応した物件も豊富です。
※当該UR賃貸住宅が建築工事に着工した当時の耐震基準

●UR賃貸住宅とは

URには、引っ越しのときに準備する初期費用の負担が軽いという以下の「4ナシ」メリットがあります。

  • ・礼金ナシで入居できる:一般の賃貸住宅で必要なこともある「礼金」が不要
  • ・仲介手数料ナシで契約できる:仲介した不動産会社に払う「仲介手数料」が不要
  • ・保証人(保証料)ナシ:保証人が不要。保証会社による保証も不要で「保証料」ナシ
  • ・更新料ナシ:契約更新時の「更新料」が不要。更新は面倒な手続きのない自動更新

礼金ナシ、仲介手数料ナシ、保証料ナシ、なので、賃貸借契約時に必要なのは「敷金(家賃2カ月分)+日割り家賃+日割り共益費」と、初期費用が抑えられます。

●UR賃貸住宅のインターネット対応状況

URには以下のような方式による超高速・高速インターネット対応の物件があり、公式サイトから「光配線」、「VDSL」、「CATV」などの条件で探すことができます。

超高速インターネット対応
・光配線方式/事業者の基地局などからURの建物の共用部までの光配線は済んでいるインターネット対応物件です。共用部分から各住宅までをつなぐ工事は、入居者がプロバイダへ申し込み、実施することになります。
・住棟内LAN方式/事業者の基地局などからURの建物の共用部分まで光配線を設置し、住棟内はLAN設備を設置した物件です。住宅内のLANコネクタからLAN経由でインターネットに接続できます。
・VDSL方式/事業者の基地局などからURの建物の共用部分まで光配線を設置し、住棟内にVDSL装置を設置した物件です。住宅内のモジュラージャックにVDSLを使うための機器を設置することでインターネットに接続できます。
高速インターネット対応
・CATV方式/ケーブルテレビが利用できる建物のうち、事業者がインターネット接続サービスを提供し、それに対応した設備が設置されている場合、住宅内に必要な機器を設置することでインターネットに接続できます。

URでは、超高速・高速インターネット環境ができるだけ多くの物件で利用できるよう、通信事業者と協力して整備を進めています。同じ敷地内の建物でも、築年や設備の違いなどで利用できるインターネット環境が異なる場合があるので、各物件の詳細情報を確認しましょう。

インターネット環境はもちろん住環境も充実したUR賃貸住宅

自宅でインターネットが快適に利用できるかどうかは、SNSやメールだけでなく、さまざまな情報の検索、ネットショッピング、動画配信サービスの視聴など、豊かな生活を送るために欠かせないポイント。在宅勤務時のオンライン会議のためにインターネット環境を整備するのなら、ある程度高速で安定した通信状態は特に大切でしょう。

UR賃貸住宅では、高速・超高速インターネット環境の整備を進めていて、多くの物件ではプロバイダと契約をすれば利用可能になっています。中には光配線が設置された建物もあり、通信速度や安定性を重視したい人は光配線を条件に物件を探すこともできます(空室がない場合もあります)。

そのほか、URは建物と建物の間隔にゆとりを持たせてあり、敷地内は緑が豊かで、広めの間取りの部屋も多いなど、住環境も魅力的。また、部屋の設備の更新だけでなく、現在のライフスタイルに合うようにリノベーションも進められています。インターネット環境も含め設備や環境が充実したURを、新たな生活を始めるときに選んではどうでしょうか。

監修/岡田 庄司

記事のまとめ

引っ越したい物件で利用できるインターネット回線は事前に確認を

  • ・一般的にインターネットの利用には、プロバイダや回線事業者との契約が必要
  • ・賃貸物件にはプロバイダ契約のみ必要な「インターネット対応」、プロバイダとも回線事業者とも契約不要な「インターネット完備」の物件もある
  • ・建物内に設置された回線により通信速度や安定性、コストなどが違うため、インターネットの利用目的も合わせた環境整備が必要
  • ・UR賃貸住宅ではインターネット環境の整備が進み、多くの物件で超高速・高速インターネットが利用できる

お使いのブラウザによってリンクが機能しない場合があります

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