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給気口とは?室内の空気環境をクリーンに保つ換気設備の使い方

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近年の住宅には、天井や壁に空気の取り込み口となる給気口(または換気口)と呼ばれる穴が備えられています。マンションやアパートなどの賃貸物件も例外ではありません。給気口は換気が目的ですが、住む人の健康状態にも関わる大切なもの。冬は冷たい外気が、夏は熱い外気が入ってくるのが嫌で、何となく閉めているという人も多いかもしれませんが、給気口は、基本的には開けっ放しにしておくのが正しい使い方です。

給気口とは

壁や天井などにある給気口。現在では法律により、新築物件には、原則的に換気設備の設置が義務付けられています。その理由と、給気口が果たしている役割を説明しましょう。

マンションのリビングや居室などの窓際の壁や天井などに、換気のために設置されている給気口や換気口。なぜこうした設備があるのかご存じでしょうか。

最近の住宅は、高断熱で高気密なものが主流となっています。そのおかげで、外気温の影響を受けにくく、1年を通じて快適な暮らしに役立つという特長がありますが、その一方で、シックハウス症候群の原因となる化学物質、外から持ち込んだ花粉やPM2.5などが室内にたまり、生活臭も部屋にこもりやすくなるというデメリットもあります。

実はシックハウス症候群への対策が、換気設備の設置が義務付けられるきっかけでした。
シックハウス症候群とは、建材や家具の材質、日用品などが発する有機化合物が原因となって、頭痛やめまい、吐き気、のどの痛みなどが起こるものです。
建築物の気密性の向上とともに、こうした症状を訴える人が増えてきたことが問題視され、2003年(平成15年)の建築基準法改正で、住宅を含むすべての建築物を対象に、部屋の空気を強制的に換気する、24時間換気システムの設置が原則的に義務化されました。

24時間換気システムには、給気・排気ともファンを使って機械的に行う方法、給気をファンで行い、排気は自然に行う方法、逆に給気は自然に行い、排気はファンで行う方法などがあります。
賃貸物件や一戸建てで多いのは、各居室に設けた給気口から自然に取り込んだ新鮮な空気を、洗面所・浴室・トイレ・キッチンなどに設けた排気ファンから排出する換気システムです。

こうした24時間換気システムには、暖房器具の使用で発生した、水蒸気や湿気を外に逃がす役割もあります。
水蒸気や湿気が室内にたまると、窓や扉が結露してしまい、カビが生えたり、建物の躯体が腐敗したりする原因になりますが、建物内の空気の入れ替えを常時行うことで、そうした状況を防ぎやすくなります。

給気口を正しく使うためのポイント

冷暖房の効きが悪くなりそうで、ついふさぎたくなってしまう給気口。でも、閉めてしまうのはNGなんです。

●給気口は開けたままにする

給気口の多くは、給気口についているつまみを回したりシャッターを閉じたりして、開閉ができるようになっています。また、電源を切ってファンを止めることで、換気をストップできる設備もあります。
しかし、化学物質が私たちに与える影響、においやカビ、結露の発生は24時間待ったなしですから、部屋の空気は常に入れ替わっていることが大切。“定期的な換気”と称して、給気口をときどき開閉するのではなく、台風・吹雪などで雨や雪、風が極端に強まるとき以外は開けたままにして、換気システムを24時間稼働させるのが基本です。

冬場など、外気温が低い場合は、つい閉めたくなるかもしれませんが、実は給気口による換気で奪われる熱は、思っているほどではありません。熱の多くは窓から逃げてしまっているため、床まである厚めのカーテンを掛けるなどして、窓の断熱対策をする方が効果的です。
ただ、給気口のすぐ前は冷気が直接入ってくるため、寒く感じることがあります。その場合は、家具の配置換えをして、ソファやデスクなど人が長時間いる場所を給気口から離すと良いでしょう。

また、給気口の前に家具を置いたりして、空気の通り道をふさいでしまうと、効率的な換気ができなくなります。
さらに、部屋の空気が悪くなるだけでなく、室内の気圧が下がって、サッシ窓やドアが開きにくくなる場合もありますので、注意しましょう。

●定期的にフィルターを掃除する

給気口の内部にはフィルターが付いていて、外気のほこりや汚れなどを、室内に入れないようになっています。給気口のお手入れをせずに長年使い続けていると、ゴミや汚れがたまり、換気の効率が低減することがあります。外からは汚れが目立たなくても、ふたを開けてみるとフィルターが真っ黒ということも。
また、外気には花粉や黄砂、健康への影響も懸念されるPM2.5なども含まれています。こうしたものをブロックするためにも、ときにはふたを開けて掃除したり、フィルター交換をしたりしましょう。

特に、幹線道路など車通りが多い大きな道路に近い住宅は要注意。フィルターが汚れやすく、こまめなお手入れが必要です。ふたやフィルターは簡単な操作で外れるようになっているものがほとんどですから、メーカーの指示に従って適切な方法でお手入れを行いましょう。メーカーによっては、フィルターや本体部品が水洗いできないタイプもありますので、事前によく確認を。
あまり手間をかけたくなければ、使い捨てのフィルターなどの製品を使う方法もあります。交換するだけなので、お手入れがおっくうになりません。

ちなみに、給気口近くの壁が黒く汚れている状態なら、給気口内には相当汚れがたまっていると考えて良いでしょう。こんな段階になる前に、壁の汚れに気が付いたらすぐにお手入れを。できれば、同じタイミングで、排気口もメンテナンスするとなお良いですね。

給気口を正しく使って、健康で快適な毎日を!

部屋の空気は目に見えませんが、化学物質や花粉、生活の中で出てくるにおいなどが含まれています。空気をきれいにするなら、空気清浄機を使うことも考えられますが、空気清浄機で、シックハウスの原因となるすべての物質を取り除くのは、難しいと言われています。

ひと昔前の木造住宅なら、材質の間に隙間があり、気密性がそれほど高くなかったため、自然と空気の循環がありましたが、最近の高断熱・高気密の住宅はそうはいきません。
このため、各住宅に設置されている給気口を、正しく使うことが重要になります。住まいに常に新鮮な空気が流れるようにすれば、カビや結露を防ぐことも可能になり、シックハウスやカビなどからくるアレルギー症状の軽減にも役立ちます。

健康で快適な毎日を送るために、給気口の存在をもう一度見直し、適切な使い方とこまめなお手入れをおすすめします。

もちろん、給気口だけでなく、住まいの各設備には、それぞれ正しい使い方やお手入れ方法があります。例えば、全国に約72万戸もあるUR賃貸住宅では、入居者の快適な暮らしをサポートするため、各設備の機能や使用方法について事前に案内しています。

「健康で快適な暮らし」をサポートし続けるUR賃貸住宅

住む人の健康を考え、さまざまなサポートの実績やノウハウを持つUR賃貸住宅。心地よい住環境が整っています。

●安心のサポート体制が魅力

設備の使用方法や注意点から暮らしのお役立ち情報まで、すべての入居者に向けて「住まいのしおり」を発行しており、より快適な暮らしができるよう配慮されています。また、断水や停電、水漏れ、エレベーター故障など、応急措置を必要とする事故の発生に備えて、緊急事故受付センターが設置されているのもポイントです。

●リノベーション済みの団地が豊富

UR賃貸住宅の取り扱っている団地のほとんどは、ゆとりある間取りと豊富な収納に加え、和室を洋室へ変更したり、水まわりの設備を新しくするなど、今の暮らしに合わせたリノベーション済み物件です。

●ゆとりある敷地を生かした、通風・採光のメリット

毎日の快適な生活に大切なのが、部屋の通風や採光の良さです。建築基準法でも、居室の窓の大きさを最低限確保することが決められていますが、UR賃貸住宅の場合はさらに、建物同士の距離を大きくとる(棟間の間隔基準は25m)などの基準を設けることで、より心地よい通風と採光の確保ができるように努めています。

実際に、URの居住者に向けて行ったアンケートにおいて、「通風・採光」の項目で高い評価を受けていることからも、その快適性が分かります。
(※平成27年UR賃貸住宅居住者定期調査結果の概要より。構造・間取りの満足度の項目で、日当たり・風通しに「満足」または「まぁ満足」と答えた人の割合が71.6%)

監修/井上 恵子

記事のまとめ

給気口は通常は開けたままが正解。フィルターの掃除でクリーンな環境を保つ

  • ・法律で定められた住宅の24時間換気システムの一部として、外気を自然に取り込むのが給気口の役割。雨や雪、風が極端に強まるとき以外は、常時開けたままに
  • ・給気口からの換気で奪われる熱はわずかなもの。寒ければ窓の断熱対策を
  • ・給気口の定期的な掃除やフィルター交換は欠かさずに
  • ・UR賃貸住宅は、設備機器の正しい使用方法をまとめた「住まいのしおり」を入居者向けに発行したり、設備トラブルに関する受付センターを設け、健康で快適な暮らしサポートしている
  • ・さらにURは、通風・採光に優れた住環境を提供しているため、入居者の満足度も高い

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