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賃貸住宅の管理費とは?共益費との違いや相場、安く抑えるポイント

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毎月何気なく大家さんや不動産会社に、家賃と一緒に支払っている管理費や共益費。でも、その使い道や必要性を知っていますか。そもそも管理費と共益費は、どう違うのでしょうか。入居者から徴収されたこれらの費用が、どのように使われていて、どのように居住者に反映されているのか、これを知り、確認することが、賃貸生活では重要です。知っていそうで知らなかった管理費・共益費の疑問について説明します。

賃貸住宅の管理費の基礎知識

管理費とは一体どのようなものか。また、共益費と違いや差はあるのか。その内容や使用用途を、具体的に解説します。

●管理費とは?

主にマンションやアパートなどの賃貸物件において、住民が快適に暮らせるように、共用部分の維持・管理をするための維持費用(清掃費や電気代、メンテナンス費など)のことです。借り主が家賃とは別に、毎月貸し主に支払います。

●管理費と共益費の違い

では、管理費と共益費の違いはどこにあるのでしょうか。不動産の表示に関する公正競争規約施行規則では、管理費と共益費が次のように定義されています。

  • ・管理費…マンションの事務を処理し、設備そのほか共用部分の維持、および管理をするために必要とされる費用をいい、共用部分の公租公課などを含み、修繕積立金を含まない。
  • ・共益費…借家人が共同して使用、または利用する設備、または施設の運営および維持に関する費用をいう。

※引用:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則(不動産公正取引協議会連合会)

ただし、実際には管理費と共益費の違いは明確ではありません。両方とも徴収されることはなく、どちらか一方のみの名目となるか、もしくは「管理費・共益費」などと表示されます。

●管理費と共益費の使い道の例

管理費と共益費、その内容を見ると大きな違いはなく、その使い道も明確に区別されているわけではありません。一般的には同じ意味で使用されるケースが多く、不動産会社やオーナーなどの意向によって、独自に使い分けられています。
具体的には、管理人や清掃業者による共用部分の清掃費用、エントランスの照明やエレベーターなどのメンテナンス代、共同アンテナの保守点検、共用部分の花壇や植栽の手入れ、浄化槽の点検清掃、管理人の人件費などがこれに当たります。

●管理費や共益費の相場

管理費や共益費は、家賃の5~10%が相場といわれることがありますが、実は明確な定義がないのが実情です。というのも、建物全体の共用部分の管理・維持費用を各住戸で割ったものが、管理費や共益費の金額になるからです。
例えば、エレベーターがある物件とない物件では、エレベーター付きの方が管理費や共益費は高く、共用部分が広い場合は、そのメンテナンスコストがかかります。このような状況を考慮して、物件ごとに決められている場合が多いのです。なお、管理費や共益費は原則非課税となり、消費税がかかりません。

●全戸が同じ管理費・共益費ではない

1棟すべてが同じ管理費・共益費ということもありますが、通常、管理費・共益費は、部屋の床面積の割合に応じて金額が設定されています。
つまり、広い物件ほど管理費・共益費の負担割合が大きくなっています。

また、入居する時期に応じて変動することもあります。これは8月から10月などの、引っ越しをする人の少ない閑散期に、大家さんが空室状態を早期に改善するため、家賃を安く見せようとすることがあります。その分、管理費・共益費を上げることで、金額のバランスをとるため、時期によって差が生まれることがあります。

管理費・共益費が高い物件の特徴

物件探しをしていると、ほかよりも管理費・共益費が高い物件に気付くはずです。ここでは、その理由を詳しく解説していきます。

●戸数が少ない物件

前出のとおり、管理費・共益費は建物の管理や維持をするための必要な費用を、各戸に振り分けたものとなります。そのため、住戸数の少ない物件ですと、一戸あたりの管理費が高くなる傾向にあります。
また、大家さんによって決められているケースが多いため、空室状態が続き、住民が少ないと負担は増えることもあります。

●高層マンションにあたる物件

管理費・共益費には、エレベーターの定期的な点検や修理費用、電気代を負担するための費用も含まれています。特に、高さ31m以上の建築物となる高層マンションでは、非常用エレベーターの設置が義務付けられているなど、高層建築物ならではの設備が必要になり、維持費用が高くなる傾向にあります。

●設備が充実している物件

例えば、オートロックや監視カメラなどの防犯性能の高い物件は、その維持費が必要に。インターネット回線を完備している物件では、回線使用料が必要となります。
このように、各設備機器が充実している物件は、その分点検や維持に費用がかかるため、管理費・共益費も高くなります。
また、管理人以外の警備員や、コンシェルジュを配置するなど、管理やサービスに携わる人数が多くなるほど、人件費も高くなります。

管理費・共益費を安く抑える値下げ交渉のポイント

良い部屋を少しでも安く借りたいとは、誰でも思うはず。ここでは、値引き交渉ができる物件の見極め方や、その方法を解説します。

●値下げ交渉の余地を見極める

家賃と同じように、物件によっては値下げ交渉をすることは可能です。しかし、値下げ交渉をしなくても、借り手が見つかりやすい人気物件では難しいのは、家賃交渉と同じですね。
駅からの利便性が悪い、築年数がだいぶ経っている、日が入らない悪条件など、人気がなく借り手がつきにくい物件では、交渉してみる価値がありそうです。
ただし、賃貸管理会社に委託をしている物件の場合は、大家さんから支払われる費用が決まっているので、交渉が難しくなります。

●相場と比べて高い場合は交渉してみる

管理費・共益費の相場は、およそ家賃の5~10%と説明しました。それ以上の金額で設定されている場合は、設備や共用部分のメンテナンスが料金に見合っているか、契約時に確認しましょう。

●家賃の値下げ交渉と同時に行ってみる

大家さんによっては、家賃よりも管理費・共益費の方が交渉しやすいことがあります。これは、家賃を下げることで、ほかの住民からクレームが来ないようにするためです。
上記にあるような物件の条件や入居の時期により、値下げの可能性があります。

管理費・共益費なしの物件に住むときの注意点

前出のように、快適な賃貸生活の維持管理に欠かせない管理費・共益費。でも物件の中には、必要なしというものもあります。それは一体どのような仕組みなのでしょうか。

●管理費や共益費が家賃に含まれている可能性がある

管理費や共益費の記載がない賃貸契約の場合、家賃に上乗せされていると考えて良いでしょう。つまり、共用部分の維持・管理にかかる費用込みで、家賃を設定しているというわけです。

ただし、ここで注意しておきたいのが、敷金や礼金、仲介手数料などの初期費用は、家賃の◯カ月分という形で請求されるため、管理費・共益費が家賃に含まれると、合計の支払い額が増える恐れがあるということ。
例えば、賃料9万円+管理費1万円と、賃料10万円(管理費込)と表記されている二つの物件があったとします。この場合の仲介手数料、礼金、敷金は、賃料の〇カ月分という計算をしますから、敷金2カ月の場合だとすると、前者の敷金は18万円、後者は20万円となるのです。

<補足>フリーレント物件でも、管理費・共益費は発生する場合も
フリーレント物件とは、大家さんの空室対策として、入居からの一定の期間(1~2カ月ほど)は、家賃が発生しない値引き物件のことです。費用が抑えられるため、入居者にとってはうれしいシステムですが、ここでもご注意を。
フリーレント期間の家賃は発生しなくても、その期間の管理費・共益費に関しては、必要となる場合が多いので、しっかりと確認するようにしましょう。
●物件の管理が行き届いていない場合がある

管理費や共益費がない、または安い場合、共用部分の維持・管理が適切に行われていないケースがあります。
設備が故障していたり、清掃がされていなかったりする恐れがあるので、もしそういう場合には、なぜ管理費・共益費がない、または安いのか、その理由も確認しておくことをおすすめします。

<補足>管理会社・管理人で変わる共用部分
管理費・共益費が設定されていても、どこまでの管理が行われるのかは、入居者には分からないケースが多いです。そこで重要なのが、物件見学時の共用部分チェックです。
ポストに投げ込みチラシが大量にたまっていないか? 植栽の手入れはされているか? 電灯が切れたままになっていないか? ごみ置き場にごみが散乱していないか? など部屋の中だけでなく、共用部分のチェックを忘れずにするようにしましょう。

共益費の情報開示を行うUR賃貸住宅

快適に暮らすためには、必要となる費用と抑えられる費用をきちんと見極めることが大切。UR賃貸住宅なら、共益費以外に費用を抑えられるポイントがあります。

●UR賃貸住宅で必要な費用は敷金と家賃、共益費のみ

UR賃貸住宅は、礼金や仲介手数料、保証人不要のため、保証会社に支払う保証料、さらには、契約更新時の更新料が必要ありません。
さらには、鍵の交換費用やクリーニング費も不要で、火災保険料は任意です。
つまり、契約時に必要な費用は、共益費(管理費)のほかは、敷金と日割りの家賃だけになり、初期費用を抑えることができるのです。

URでは、借主との個別交渉による家賃の値下げは行っていません。しかし、このように初期費用や更新料も抑えることができるので、入居する時期に関係なく、お得な家賃で一定期間住み続けることができます。

●共益費を有効活用して、快適な住環境を実現する

賃貸では、共益費の細かい内訳や内容を入居者に開示しているケースは、あまり見られません。
しかしUR賃貸住宅では、共益費に関して、「何に」、「いくら」使ったのかを明確に示した、収支報告書を作成しています。
毎年1回、前年度の収支状況と当年度の運営計画を、文書で全世帯に配布。入居者の共通の利益を図るために必要な共益費の内容を、積極的に開示しているのです。
これらの共益費の一部が、団地の豊かな緑を守ったり、敷地内の定期的な清掃活動を支えています。結果、気持ちよく暮らせる住環境を保てるのです。

私たちの暮らしに必要な管理費・共益費

特に意識することなく支払っている管理費・共益費ですが、その内容を理解すると、必要性を実感しませんか。基礎知識として押さえておけば、物件見学時に管理費・共益費について、不動産会社に確認できるので、安心して契約まで進めるでしょう。

管理費・共益費は、私たちの快適な暮らしを支えるために必要な費用。これがなかったら、普段使っている廊下や駐輪場、またエントランスのライトやエレベーターも維持できないのです。

「家賃とは別に支払うため、もったいない」と思っている方も、「みんなが暮らす集合住宅だからこそ、みんなで快適な空間にしていく。」そう考えれば、管理費・共益費の大切さが分かると思います。

監修/加藤 哲哉

記事のまとめ

快適な暮らしの維持に欠かせない管理費・共益費

  • ・管理費と共益費の違いは、内容を見ると大きな違いはなく、使い道も明確に区別されているわけではない
  • ・集合住宅では、廊下やエレベーターなどの共用スペースや、駐輪場や駐車場などを維持するために欠かせない費用
  • ・UR賃貸住宅では、共益費に関して収支報告書を作成。毎年、前年度の収支状況と、当年度の運営計画を文書で全世帯に配布するなど、共益費の内容を積極的に開示している

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