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RC造とは?素材の弱点を補い合う耐久性に優れた建築構造。自由度の高い設計が可能

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ひと口に「住まい」と言っても、建築構造はさまざまです。昔ながらの木造住宅はもちろん、最新のタワーマンションまで、条件に合わせて数々の住まいが造られています。中でもRC造は、一般的に耐久性に優れた工法として、多くの建物に採用されています。 どんな点が評価されているのか、どんな点に魅力を感じるのか…。そんなRC造の特徴について紹介します。ぜひこれからの住まい選びの参考にしてください。

RC造の工法の内容・種類とは

具体的にRC造とは、どのようなものなのでしょうか。工法の内容・種類など、ほかの工法との違いについて考えてみましょう。

●RC造の特徴

そもそも建築構造には、どんなものがあり、RC造とはどんな位置付けなのでしょうか。代表的なほかの工法と比べてみましょう。

  • ・W造(Wood)…木造
    大きく軸組構造とツーバイフォー構造の二つがあり、前者はわが国の伝統工法によるもので、日本における建物構造のスタンダードとなっています。
    後者は北米由来の構造です。一戸建てはもちろん、現在では4階建てまでのアパートにも採用されています。
  • ・S造(Steel)… 鉄骨造
    柱や梁など骨組みに鉄骨を使用した構造のことで、粘り強さがあり、軽量でしなやか。S造には、高層のビルやマンションなど、大規模建築物に用いる重量鉄骨造と、2~3階建ての一般住宅や小規模店舗などで用いられる、軽量鉄骨造の2種類があります。
  • ・RC造(Reinforced Concrete)… 鉄筋コンクリート造
    主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたもの。引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートのお互いを補強し合い強化。これにより、マンションに必要な高強度を出しています。
    ちなみに、RC造を用いた住宅の法定耐用年数は47年です。しかし、建物の耐用年数と実際の寿命は異なります。正しくメンテナンスをしていれば、耐用年数を超えて住み続けることも可能です。
  • ・SRC造(Steel Reinforced Concrete)… 鉄筋鉄骨コンクリート造
    柱や梁、床、壁などの主要構造部が、鉄骨、鉄筋、コンクリートで構成されている建物の構造を言います。それぞれの部位に、鉄骨の芯が入っている点がRC造との違い。高層のマンションやビルなど大規模物件に活用されています。
●RC造の構造の種類
<ラーメン構造>
語源は、ドイツ語で額縁を意味する「Rahmen」に由来します。柱と梁で作った枠を作り、各接合箇所を変形しないように(剛接合)したものを言います。
柱と梁で強度を出すことで、筋交いや耐力壁を必要としないため、大空間・大開口など空間設計の自由度が高く、リフォーム時の間取り変更も容易です。狭小地での建築にも適しており、各種の構造で採用例が多く見られます。
<壁(パネル)式構造>
壁や床、天井のパネルを作り、それで建物全体を支える構造。木造のツーバイフォー構造が代表例です。低~中層の建築物に多く使われています。
柱と梁ではなく、壁自体に強度を持たせているので、大空間や大開口が可能なほか、梁や柱などの凹凸がないスッキリとした空間づくりが可能になります。

RC造のメリット・デメリット

RC造ならではの特性とはどんな点でしょう。なぜRC造が選ばれるのか、賃貸物件にRC造が多いのかも含めて、そのほかの構造とも比較しながら確認してみましょう。

●メリット
  • ・鉄筋は引っ張る力には強いが、熱に弱くさびやすいという特徴があります。コンクリートは熱にも強く、上からの「圧縮」に対する抵抗力もある反面、引っ張る力には弱いという特徴があり、鉄をコンクリートで覆うことで、互いの弱点を補い合うことができます。そして、熱と酸化を防ぎながら、上からの力や引っ張る力にも強いという、高い耐久性を実現できるのです。
  • ・コンクリート造の気密性により、高い遮音性・耐火性・耐震性を確保しています。また気密性の高さは、冷暖房の効率に直結するため、省エネ効果が期待できます。
  • ・広いリビングやビルトインガレージ、1階部分を店舗やオフィスにするなど、自由度の高い設計が可能です。
  • ・不燃材料のコンクリートが主材料に使用されているため、建物として高い防火性を備えています。これは賃貸物件として貸し出す際に、借り手に対して安心感を与え、大きな訴求力になるでしょう。
  • ・コンクリートは、さまざまな形状に成型がしやすい素材でもあります。例えば、曲面を備えたデザイン性に優れた建物を実現しやすく、それにより入居者への訴求力を高めることも比較的容易です。
●デメリット
  • ・熱伝導率が高いので夏場は高温になりやすく、また梅雨の時季などは、気密性の高さから高湿度になり、カビが発生しやすくなるケースもあります。
    ただ、2003年に建築基準法が改正され、換気システムの設置が義務化されたことから、築浅物件では、カビの発生などはずいぶんと改善されている傾向にあります。
  • ・RC造の建物の多くは、コンクリートを現場で固める必要があるケース、さらには気象条件で固まる条件が異なるという性質があります。そのため、施工品質が安定しにくく、設計時に計画された強度を十分に確保できていないケースも見られます。
  • ・建築コストはもちろんですが、解体する際には工事費用も高額になる場合があります。
  • ・RC造住宅の重量は、コンクリートや鉄筋などの材料を使うため、建物が非常に重いのが特徴です。そのため強固な地盤が必要となり、場合によっては、地盤改良が必要になることもあります。
■そのほかの建物構造のメリット&デメリット
●木造のメリット
RC造などと比べて、多くの施工業者が存在することを含め、建築コストが抑えられること、そして工期が比較的短くて済む傾向にあります。アパートなどの賃貸物件なら、コストが抑えられることにより、比較的に安い賃料設定も可能です。
また室内の空気が乾燥する冬には、水分を空気中に放出し湿度を保つ効果があり、逆に梅雨時の湿気が高い季節には、空気中の水分を吸収するなど、高温多湿な日本の気候に適しています。
●木造のデメリット
あくまで古い建物や、コストを抑えた建物のケースですが、第一に遮音性の低さが難点です。隣家との仕切りの壁が薄いケースも多く、生活音が聞こえてしまうこともあります。
また気密性の低さによる、冷暖房の効率の悪さも挙げられます。ですので、その分が光熱費に反映されることは認識しておきましょう。
さらに最大の弱点は、耐火性が低いということです。主材料が木材であるため、どうしても火災に対しては、注意が必要になってしまいます。ただ、近年建てられたコストをかけている一部の木造物件では、上記のようなデメリットに対して一定の対策が行なわれているものも多くあります。
●S造のメリット
この構造では、大手ハウスメーカーによる工業化(プレハブ)技術が用いられていることが多いという特徴があります。工場で部材を生産し、現場で組み立てを行うため、ほかの工法に比べ短期施工、かつ高品質が期待できます。
また長期の維持管理など、大手ならではの安心感も特徴の一つとなっています。
●S造のデメリット
RC造と比べると、遮音性は劣る傾向にあります。また、築年数が古い物件については、火災対策が十分でない場合もあります。それは断熱性や、省エネ性においても同様のことが言えます。
●SRC造のメリット
あらゆる構造の中で、トップクラスの耐震性・耐火性・耐久性を誇ります。10階建て以上の高層マンション、または超高層マンションなどの建築にも多く採用されています。
●SRC造のデメリット
火事や地震に対しての安心感がありますが、ほかの建物構造に比べて、建築コストや維持管理コストが大きくなるため、賃貸の場合は賃料設定が高くなってしまいます。
■構造による防音性や耐火性、耐震性の比較
<防音性>
防音性が高い構造は、RC造とSRC造です。密度の高いコンクリートの壁と床のおかげで、生活音が漏れてしまうことも少なくなります。S造と木造は、それらより防音性は劣る傾向にありますが、近年建てられた建物では、一定の高さの遮音性が期待できます。
<耐火性>
不燃材であるコンクリートで覆われたRC造とSRC造が、高い耐火性を誇ります。木造やS造は、耐火性という点ではそれに劣りますが、その対策として近年、耐火性に優れた外壁素材を使用するなどの工夫が施されている物件も多くあります。
<耐震性>
圧縮力に強いコンクリートと、引っ張る力に強い鉄筋を使用している、RC造とSRC造が耐震性に優れています。建物の重量から揺れは大きくなりがちですが、その対策として揺れを伝えない免震装置や、揺れを吸収する制振装置が設けられたマンションもあります。

UR賃貸住宅の建物はほとんどがRC造やSRC造

防音性、耐火性、耐震性に優れた構造特性を持つRC造とSRCは、静かで安心できる住まいを選ぶときのポイントの一つとなりそうです。
全国に約72万戸もの物件を持つUR賃貸住宅の場合、ほとんどがRC造やSRC造のため、豊富な物件から選べるというメリットがあります。

●防音性について

URでは住戸内の設備などを改良しても、決められた範囲であれば、退去時の原状回復義務は免除されるため、借主が独自に防音対策をしやすい点も特長です(事前に管理事務所に模様替え申請を提出する必要があります)。
例えば、防音を目的に「壁紙の貼り替えをする」、「フローリングの床材を上張りする」なども、この範囲に含まれています。

さらにURの中には、もっと本格的な防音対策をDIYで実現できる物件も用意されています。
施工できる範囲や内容に応じて以下の3種類があり、いずれも退去時の原状回復義務はありません。

・DIY住宅
建物の構造部分(躯体)以外は、原則としてDIY(Do It Yourself=自分でメンテナンスや補修などの手を加えること)が可能な「UR-DIY」物件。本格的なDIYに取り組めます。
・Petit DIY住宅
大きなレイアウト変更はできませんが、壁紙や床面など内装部分のDIYが可能な「UR-DIY」物件が、一部で用意されています。
・カスタマイズUR
「UR-DIY」の物件でなくても、前述した「壁紙の貼り替え」、「床材の変更」をはじめ、決められた範囲で防音性を高めるカスタマイズができる物件です。
●耐火性について

UR賃貸住宅は、耐火性に優れた物件が多いことも特長です。
標準的なURの耐火性は、設計・施工時に受けた住宅性能表示制度による第三者評価で、耐火等級(界壁および界床)が高い等級4となっており、これは、左右の部屋の間にある壁と、上下の部屋の間にある床の火熱をさえぎる時間が、60分相当以上であることを示しています。

●耐震性について

耐震性を示す耐震等級は、標準的なURの物件では等級1で、現在の建築基準法で定められた耐震基準を満たしています。また、等級1で想定された地震よりさらに強力な地震に耐えられる、耐震等級2や3の物件もあります。

なお、現在の建築基準法が施行される以前の「旧建築基準法」のときに建てられた物件は、耐震診断を順次行い、現在の耐震基準に合わせて改修が進められています。

RC造の住まいで、自由自在なライフスタイルを満喫

かつては木造が多かった日本の家屋。しかし現在では、一戸建てをはじめマンションなどの集合住宅まで、幅広い分野でRC造の住まいが採用されています。
特に集合住宅では、高い防音性・耐火性・耐震性に優れていることから、隣家に余計な気を遣うことなく、快適に暮らせる住まいとして評価されています。自然に発生してしまう生活音にも、それほど神経質になることもないため、小さな子どもがいるファミリーにもうれしい住まいです。
安心で安全、そして暮らしやすい。さらには、間取りのバリエーションも豊富なRC造。URなら多彩なRC造の物件の中から、気に入った部屋を選ぶことができます。自分らしい自由なライフスタイルを満喫してみてはいかがでしょうか。

監修/田中 直輝

記事のまとめ

防音性・耐火性・耐震性に優れているRC造は、安心安全で暮らしやすい

  • ・RC造は耐火性や耐震性を確保しており、気密性が高く省エネ効果が期待できる
  • ・密度の高いコンクリートの壁と床のおかげで防音性も高く、ファミリーにもうれしい
  • ・UR賃貸住宅にはRC造、SRC造の物件が豊富で、安心で安全な自分に合った部屋を選びやすい

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