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賃貸住宅の築年数の目安は?古くても良い物件を選ぶポイントを解説

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物件探しをする際に立地や間取り、家賃とともに、気になる条件が築年数。新しい方が良いと思う人が多いかもしれませんが、一方で築年数が古い物件を選ぶことで、家賃や選択肢の多さなど、メリットも多くあります。それにきちんと管理された物件と、そうでない物件では、同じ築年数でも差が出ることも。まずは築年数について正しく理解し、自分のライフスタイルに合った物件探しに役立てましょう。

賃貸住宅の築年数と劣化の目安

そもそも築年数とは? 不動産広告などで見る「築浅」、「築古」という言葉の定義、また、築年数と並んで表示されることもある「法定耐用年数」について説明します。

●築年数と「築浅」、「築古」の定義

築年数とは、建物が完成した後、どれだけの年数が経過したかを表す数字です。
一般的に築年数が新しいものを「築浅(ちくあさ)」、古いものを「築古(ちくふる)」と呼びます。不動産広告などでは、完成後3年以内の部屋を築浅と表示することが多いようです。
また「新築」とは、築年数1年未満で未使用・未入居の物件を指し、「築古」は、一般的に建設から30年経過している物件のことをいいます。

●築年数と建物の劣化の目安

建物は完成した時点から徐々に劣化が始まるといえ、築年数の古い物件ほど建物や設備の劣化が進んでいると考えられます。ただし、リフォームやリノベーション、定期的なメンテナンスなどを適切に行うことで、経年劣化のスピードを緩やかにすることができます。同じ築年数でも、物件によって劣化具合がずいぶん違うと感じるのはこのためです。内覧する際には、築年数だけでなく外観や内装、設備の劣化具合なども確認すると良いでしょう。

建物は、その構造の種類によって「法定耐用年数」が定められています。「法定耐用年数」とは、主に税務上の観点から減価償却の目安とするためのもので、以下で紹介するように建物の構造によって決まり、築年数が経過するほど建物の資産価値は減っていきます(一部で法定耐用年数70年などの例外があります)。

賃貸の場合、建物の資産価値における目安である耐用年数をそれほど気にする必要はないでしょう。なお、「法定耐用年数」イコール建物の寿命という意味ではなく、適切に管理されていればその年数より長持ちすることがほとんどです。

木造(W造)や鉄骨造(S造)で建てられたアパートに比べて、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のマンションの方が構造的に頑丈とされています。そのため、法定耐用年数にも差があり、同じ築年数でもマンションの方が劣化の度合いが異なります。

【住宅用途の建物の「法定耐用年数」の一例】
・木造(W造)の場合:22年
・鉄骨造(S造)の場合:属の厚みが3mm以下は19年、
3mm超4mm以下は27年、4mm超は34年
・鉄筋コンクリート造(RC造)の場合:47年
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)の場合:47年

賃貸住宅の築年数の目安

建物の耐震性から、家賃の相場、使われている設備仕様など、築年数によりその賃貸物件の特徴に差が生まれます。

●新しい設備を重視するなら築10年以内

使いやすい設備や機器が設置された物件を選ぶなら、築10年以内を目安にすると良いでしょう。モニター付きインターホンや宅配ボックス、オートロックなども、近年では賃貸住宅でも当たり前のように設置されています。また一般的にエアコンやガス給湯器の標準的な使用期間が10年のため、それ以降は故障しやすい傾向にあります。

●耐震性を重視するなら築20年以内

マンションなどの集合住宅における耐震性を重視するなら、「新耐震基準」の物件を選ぶと良いでしょう。1981年6月1日に建築基準法が改正され、それ以降に建築確認申請を受けた建物には、現在でも基準とされている耐震基準が義務付けられています。また1995年の阪神淡路大震災を受けて、2000年6月には木造住宅を対象に耐震基準がさらに改正されているため、木造の集合住宅を検討の際は2000年以降に建てられたものが安心です。

●家賃を重視するなら築古物件

築年数がたち建物が古くなるほど、家賃が安くなる傾向にあります。家賃が下がる割合は総務省の調査によると、平均で年0.8%ほど低下しています(※)。築年数の経過した物件の方が、人気のある築浅物件と比較して探しやすくなります。

※「借家家賃の経年変化について」総務省統計局(平成30年7月)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/pdf/kenkyu1.pdfPDFで開きます

築年数が古い物件のメリットと注意点

築年数が古い賃貸物件にもメリットはたくさんあります。注意するべきポイントとともに解説しますので、一つ一つ確認していきましょう。

●築年数が古い物件のメリット

<家賃が安い>
一般的に築10年で約1割、20年で約2割程度、家賃が安くなる傾向にあるといわれ、年数が古い物件ほど家賃を抑えやすくなります。部屋の広さや駅からの距離などほかの条件を優先したい場合でも、築年数の条件を緩和することで、条件に近い物件を見つけやすくなります。
<物件の選択肢が多い>
築年数が古い物件は数が豊富なため空いている部屋も多く、新築や築浅の物件に比べると、豊富な種類の物件から選ぶことができます。築年数以外の条件にこだわることができて、より多くの選択肢の中から選べるので、予算内で理想の物件を見つけやすい傾向にあります。
<リノベーション物件もある>
築年数が古くなると、リフォームやリノベーションを行う大家さんも多いため、中には室内が新築のようにきれいな物件や、壁などの間仕切りを撤去したゆったりした間取りの物件もあります。建物の外観は古く見えても、内装がきれいで、設備が整った魅力的な物件が見つかることもあるので、選択肢の一つに入れると良いでしょう。

●築年数が古い物件の注意点

<設備面が古くて使いづらいことがある>
主にキッチン、浴室、洗面化粧台などの水まわり設備は、築年数の浅い物件に比べると最新ではないことも珍しくないので、入居前にしっかり確認しておくと良いでしょう。もちろん室内を改装したリノベーション物件は設備を交換していることが多いので、ほかの築古物件に比べておすすめです。
<建物の耐震性に懸念がある>
旧耐震基準の物件の場合は、目安として震度5強程度の地震で倒壊しないように建てられており、それ以上の地震が起きた場合を想定していません。新耐震基準では震度6強~7程度の地震で倒壊しないように建てられているため、耐震性に大きな違いがあることを認識しておきましょう。旧耐震基準の物件を検討するなら、耐震補強工事が実施されているか、不動産会社に確認するようにしましょう。
<防音性や断熱性能が低いことがある>
築年数の浅い物件に比べると隣や上階の生活音が聞こえやすい、夏は暑く、冬は寒いなど、防音性能や断熱性能が劣っている場合があります。場合によっては暮らしの快適性に大きな影響があるため、内見時に壁や床、窓などを確認し、隙間がないか、結露による染みやカビの跡がないかなどをチェックすることをおすすめします。

築年数が古くても快適に暮らせる賃貸住宅の選び方

たとえ築年数が経過している物件であっても、暮らしの満足度の高い物件はたくさんあります。その理由は一体何でしょうか?

●メンテナンス体制がしっかりしている

賃貸住宅の場合、その住みやすさは、きちんと管理やメンテナンスがされているか、いないかで、雲泥の差があります。メンテナンス体制が整っていない場合、築年数が比較的新しくても、設備不良などのトラブルが起きやすくなります。そんな物件を見分けるコツは、エントランスやごみ置き場といった共用部分が、しっかり清掃されているかで分かることも。部屋の内見時に、必ずチェックしましょう。

●リノベーションを実施している

老朽化した設備や建具などに起こった不具合の修繕を行うだけではなく、劣化した住まいの性能、機能などを建設当初より良く改善するリノベーションを実施している物件もあります。例えばバリアフリー化などの高齢化対応、浴室やキッチン設備を刷新する快適性向上、インターネット環境の整備、イメージ向上のための内外装のデザイン更新など。このようなリノベーションを実施している物件であれば、築古であっても新築に近い住み心地を得ることができます。

●旧耐震基準の物件でも耐震補強を施している

旧耐震基準の建物の場合は、耐震診断を行い、必要な耐震補強が完了しているかを入居前に確認するようにしましょう。国が耐震診断・耐震改修を推奨していて、地方公共団体による支援制度が充実しているため、すでに補強工事が完了している物件も少なくありません。ただし1階しか補強していないなどのケースもあるため、建物のどこまでを補強したのかも合わせて確認しておくと良いでしょう。

●鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨コンクリート造(SRC造)の建物

木造や軽量鉄骨造に比べて頑丈で、防音性が比較的高く、気密性・断熱性に優れている物件も多い鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨コンクリート造(SRC造)。一般的にマンションと呼ばれているものはどちらかの構造になっています。プライバシー面はもちろん、冷暖房効率などを重視している方に特におすすめです。

築年数がたった物件を改良し続けるUR賃貸住宅

UR賃貸住宅と聞くと、築年数がたった物件が多いと思われるかもしれませんが、実際には築浅の物件もあります。そして、築年数がたった物件に関しては、リノベーションを積極的に行っています。間取りや設備を現代の生活ニーズに合わせて改良した部屋は、築年数の経過を感じさせません。

●リノベーション物件が豊富なUR賃貸住宅

UR賃貸住宅のWebサイトにある物件の一覧では、「リノベーションしたお部屋」というマークが付いた物件もよく見られます。これは和室を洋室にしたり、モニター付きインターホンを設置したり、キッチンや浴室、トイレなど水まわりの設備を一新したりといったように、現代のライフスタイルに合わせて改良されたもの。築年数がたっていても、快適に暮らせる物件を多数提供しています。

●耐震性の向上に取り組み続けるUR賃貸住宅

全国に約70万戸あるUR賃貸住宅は、ほとんどの物件が鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨コンクリート造(SRC造)です。さらに定期的に耐震診断を実施し、築年数の古いものは、現在の耐震基準を満たすよう、積極的に補修工事を行っています。現在、耐震診断は住棟の約99%で実施済み。診断結果に基づき、必要な耐震改修などを計画的に進めているところです。近年全国で相次いでいる震災において、UR賃貸住宅が大きな被害を受けていないことから見ても、耐震への取り組みは信頼に値するのではないでしょうか。

賃貸住宅の築年数の目安を知って、確かな物件選びを

このように、築年数の目安や築年数が古い物件にもメリットがあることを知ることで、築年数の経過した物件でも選ぶ価値は十分にあることが分かりました。特に、近年ではリノベーションを行うことで、築年数の経過した物件に、新しい価値を生み出す試みが多くされています。こうしたリノベーションされている物件は狙い目。新築同様の内装や設備が整った物件に、リーズナブルな家賃で住めたり、逆に同程度の家賃で新築よりも広い物件や、立地の良い物件を探せたりします。

しかもUR賃貸住宅なら、礼金、仲介手数料、更新料、保証人(保証料)が不要で、MUJIやイケアなどと連携したリノベーション物件もあるなど、自分らしい暮らし方を望む幅広い層に人気です。さらに、そのほとんどが鉄筋コンクリート造(RC造)で建てられているため、丈夫な構造や安心できる耐震基準も魅力です。希望の条件で探すと、家賃の予算をオーバーしそうといった理由で、物件探しが難航しているなら、UR賃貸住宅にも目を向け、一度内覧してみるのも良いですね。

監修/井上 恵子

記事のまとめ

設備更新や補修工事、リノベーションなどで住みやすくなった築年数の古い物件にも注目

  • ・築年数の古い物件は家賃に割安感がある物件が多く、しっかりとメンテナンスされていれば検討の価値あり
  • ・同じ築年数の物件でも、定期的なメンテナンスなどの管理によって、劣化具合は異なる。築年数だけで決めずに内覧を
  • ・UR賃貸住宅は築年数の古い物件でも、現代の生活に合わせて住みやすくリノベーションされた物件が豊富

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