URくらしのカレッジ

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住民の思いを大切に、団地の緑を引き継いでいく!「グリーン・バンク・システム」

今、昭和の時代に建てられた団地が徐々に新しく生まれ変わっています。その際、URが行っているのが、既存の樹木を有効活用することで環境に配慮したまちづくりを進める「グリーン・バンク・システム」という取り組み。URくらしのカレッジ編集部が、建て替えが進む「ヌーヴェル赤羽台」におじゃまし、それがどんなものなのか、UR職員の方に教えてもらいました。

保存、移植、リサイクルで団地内の樹木を有効活用

左から、URの杉山さん、福田さん、澤田さん

全国にあるそれぞれのUR団地には、建設時に植えられ、長い年月の中で大きく育ってきた樹木があります。それを、団地を建て替える時など、生かすために考えられたのが、平成6年から始まった「グリーン・バンク・システム」。この考えにのっとって、保存、移植、リサイクルの三つの方法で樹木を有効活用しています。

例えば、東京のUR団地には、約600種類もの樹木が植えられています。これらは樹木台帳で管理し、建て替え時には、それを利用して保存樹、移植樹の候補を決めます。その際に、樹木医など専門家とともに現地に赴き、樹木の活力度や土壌などの調査も行ったうえで、保存や移植する樹木を決定し、慎重に進めていくのだそうです。
そしてやむを得ず、伐採の対象になった樹木は、樹名板などに加工して再活用しています。

並木など地域のシンボル的存在の樹木は保存樹に

「グリーン・バンク・システム」で保存樹木の候補となるのは、ケヤキ、イチョウ、サクラなど並木として植栽された物や、団地内の公園の広場で大きく育った樹木。中でも、地域や団地のシンボルになっている物や、入学式に樹木の前で写真を撮っている人が多いサクラなど、住民の思い入れがある樹木は極力残すように考えられています。

「ヌーヴェル赤羽台」では、建て替え前より住民に親しまれているイチョウ通りの樹木がそのまま保存されています。通り沿いには、集会場や夏祭りの会場にもなるスペースを配置。地域コミュニティの軸となるように計画されています。
「『ヌーヴェル赤羽台』は、赤羽団地から建物や設備が一新され、より住みやすく、整備されつつあります。そんな中、イチョウ通りの景観を継承したことで、これまでと同じほっとするような屋外空間を維持できたと思っています。」と、UR職員のみなさん。

団地内に移植されて、新しい景観の顔となる樹木も

一方、その場所で保存できない樹木は、団地内での移植を考えるそうです。最近整備した「ヌーヴェル赤羽台」第5次募集エリアでは、5本のケヤキの大木が新しい住棟近くに移植されていました。
移植を行う際は、その1、2年前に、根回しという処置を施すなど、特殊技術が必要になる場合があります。しかし現在は、ノウハウを持っていても、丁寧に施工できる業者が少なくなってきているため、苦労も多いそうです。移植後も完全に根付くまでは心配が絶えないようで、台風の強風などで倒れることもなく、元気にそびえ立つその姿を見て、UR職員のみなさんはほっとしているようでした。

住民が愛着を持つ樹木で、団地内での保存・移植が難しい場合は、他の団地や公園などへの移植も検討されます。埼玉県の草加松原団地にあったシダレザクラは隣接する松原団地記念公園にシンボルツリーとして移植。今も見事な花を付け、住民や地域の方の目を楽しませています。

  • ヌーヴェル赤羽台
  • 松原団地記念公園

オブジェもきれいに修復されて、お引っ越し!

5本のケヤキが移植された住棟には、紫、赤、ぶち模様入りなどさまざまな葉色を楽しめる植物が並ぶおしゃれな花壇があり、そこにはゾウやハトのオブジェが! 実はこれ、ケヤキとともに赤羽台団地からお引っ越ししてきた物なのです。樹木だけでなく、住民が愛着を持つオブジェも、大切に引き継がれています。長年風雨にさらされて劣化した部分は修復され、新しい住棟にぴったりの真っ白な姿に一新。ちなみに、花壇の中のゾウは、夜はライトアップされますよ。

記事のまとめ

「グリーン・バンク・システム」は樹木の保存、移植、リサイクルで住民の心に寄り添う

  • ・団地内の樹木は台帳で管理。保存や移植をする樹木は、樹木医など専門家と調査したうえで決定し、慎重に行っている
  • ・地域のシンボル的存在の樹木保存、移植でなるべく継承。やむを得ず、伐採の対象になった樹木は、樹名板などに加工して再活用
  • ・樹木の景色は、住民の思い出や記憶の中にもあるもの。だからその思いを大切にするためにも、URは「グリーン・バンク・システム」で、緑の資産を引き継ぐ取り組みを行っている
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