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これからのくらしを考える まち×建築

昼間以上にすてきな景色が現れる!?吉岡里帆さんが歩く夜の団地

東京都世田谷区にある「アクティ三軒茶屋」は、UR賃貸住宅の景観照明(屋外空間を光によって演出すること)の代表的な団地。J-WAVEのラジオ番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』のナビゲーターを務める女優、吉岡里帆さんが、照明デザイナーの東海林弘靖さんとともに、夜の団地を歩き、照明の奥深い魅力に迫りました。

住む人の心に染み入るような夜の景色をつくる

「アクティ三軒茶屋」は、都市に生活する新しいスタイルを提案する団地として、14年前に誕生。東海林さんが照明デザインを手がけ、建物や植栽などのランドスケープも含め、総合的な夜の景観づくりに取り組んだそうです。

吉岡
照明デザインで工夫されたのはどんなところですか?
東海林
それまでの照明は、「暗くてつまずいたら困るから、安全のために明かりをつけましょう」という感じでした。それを踏まえつつ、一歩進んで、「夜になると昼間以上にすてきな景色が広がっていく、そんな照明をやってみたい」と提案したんです。住む人の心に染み入るような夜の景色をつくりたかったんです。
吉岡
どんなふうにつくっていったんですか?
東海林
例えば、夜になると、木や石積みの壁などは暗闇に溶け込んでしまいますよね。そこに光を当てて景色をつくっていきました。
吉岡
ここには余計な明かりがまったくなくて、ほしい明かりだけがある感じですよね。照明が木にかぶらないように設置されていたり、その場所に合うように計算されている…。感動しました!

建物全体を照明器具に見立てて

夜の「アクティ三軒茶屋」を歩いていると、まるで外国に来たような気分になります。その秘密をうかがってみると…。

東海林
それはたぶん、従来の照明に比べて明るくないからだと思います。明るさに関しては、安全面での検証もプロジェクトチームのみんなで徹底的に行いました。
吉岡
実際に夜、歩いてみたりして?
東海林
そうです。さらに、雰囲気を出すために照明の仕掛けにも工夫しました。いくら夜の景色が素晴らしくても、昼間に見ると照明器具がごろごろしていたら興ざめですよね。建物に照明を仕込んでおいて、夜になると自然と光が現れるようにしたんです。
吉岡
だからすてきなんですね。特に好きな照明デザインはあるのでしょうか?
東海林
階段室を縦に光るようにして、建物全体が照明器具に見えるようにデザインしたもの(写真左)かな。前例がなかったので、URの方と一緒になって現場で実験しながらつくりあげました。
吉岡
この素晴らしい照明は、たくさんの人の知恵と時間によってできたものなのですね。

ブルーモーメント。光のアイデアが生まれる時間

光がもたらす美しい時間を探究し続ける東海林さん。照明デザインのアイデアは、どういうタイミングで出てくるのでしょうか?

東海林
西の空に太陽が沈んだあとに、世界全体がブルーに染まる時間があるんです。“ブルーモーメント”と言うのですが、そのとき、変わりゆく空を見ながら考えるのが好きですね。
吉岡
特別な時間ですよね。自然の光からインスパイアされるんですね。
東海林
自然の光が先生なんですね。刺激を受けながら、もっとこうやったら影がきれいになるんじゃないかなど、学びながらやっています。
吉岡
照明の魅力ってどこにあるのでしょうか?
東海林
明かりがともることによって、そこに暮らす時間が見えてきたり、豊かな夜の時間を散歩しながら見ることによって心が穏やかになっていったり…。いい時間をつくってくれるところが照明の魅力だと思いますね。

光は人生にとって大事なものの一つ

「アクティ三軒茶屋」を歩いていると、不思議と穏やかな気分になります。心に響く明かりをつくる東海林さんにとって、光はどんな存在なのでしょうか?

東海林
ドキッとする質問ですね! 人は朝日を浴びると元気になって今日もがんばろうと思ったり、夕方の光を感じると、疲れたから休もうと思う。つまり、人の心は光に左右されるんです。光は人生にとって大事なものの一つではないかと思います。
吉岡
ここの照明は、柔らかくて温かくて…。優しい気持ちになりました。
東海林
それはよかった。私たちが居心地がよいと感じるのは火のような温かい光なんですね。だから、ここでは電球色を温かみのある色に統一しています。電気の歴史は130年ほどですが、火は人類が地球上に誕生した約10万年前からある。照明の原点とも言えますね。これからの照明はそこに戻っていくような気がします。
吉岡
「アクティ三軒茶屋」は余白のある空間も心地よくて。ただ家に帰ってきたというより、“自分の特別な場所”に帰ってきた!という気がしました。
東海林
とてもうれしい言葉ですね。

URには、すてきな景観照明をはじめ「お部屋の外も、きもちいい!」と感じる環境がたくさんあります。
URの屋外環境への取り組みはこちらをご覧ください。

吉岡 里帆さん写真

吉岡里帆(よしおかりほ / Riho Yoshioka)

1993年1月15日生まれ、京都府出身。
『マンゴーと赤い車椅子』で映画デビュー。
その後も映画『明烏』、NHK朝の連続テレビ小説『あさが来た』、宮藤官九郎脚本ドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)、『メディカルチームレディ・ダ・ヴィンチの診断』(関西テレビ)と話題のドラマにレギュラー出演が続き、2017年1月クールに放送されたドラマ『カルテット』(TBS系)に出演し、人気急上昇。TBS日曜劇場『ごめん、愛してる』にヒロイン三田凜華役で出演、劇場版『世界ネコ歩き』のナレーションも務めている。他CMにも多数出演中。

東海林 弘靖さん写真

東海林 弘靖さん

照明デザイナー。1958年福島県生まれ。工学院大学大学院修了。光は建築をつくる重要な素材であると信じ、建築家とともに新しい空間の価値を生み出そうと考えている。国際照明デザイナー協会・デザイン賞、北米照明学会デザイン賞など多数受賞。また、マスメディアを通じて照明デザインの啓蒙と普及活動にも積極的に取り組んでいる。

アクティ三軒茶屋(UR賃貸住宅)

東京都世田谷区野沢1-35
東急田園都市線三軒茶屋駅から徒歩10分圏内。大学キャンパス跡地に建てられた団地内には当時の面影を残す樹木などが残されており、都会でありながら安らぎを感じます。また、照明による景観づくりにもこだわっており、夜になると、昼とはまた違う温かく美しい景色が現れます。