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住みたいまちの選び方

子育てしやすい街や住まいはどんなところ?環境選びのコツ

ママやパパが気になる住まい選びのポイントは、子育てしやすい環境かどうかということ。できるだけのびのびと育てたいと考える一方で、治安面なども気になりますよね。自らも二児の母であり、安心・安全な住まいを女性視点でサポートする一級建築士、All About「住まいの性能・安全」ガイドの井上 恵子さんにアドバイスをいただきました。

子育て世代にやさしい住環境のチェックポイント

「子育てしやすい住環境の条件は、子どもの年齢によって少しずつ移り変わっていきます」と井上さん。「子どもが乳幼児の間は、共働き世帯なら近くによい保育園があるか、保育園に入園しやすいかどうかが重要なポイントになります。さまざまな病気にかかりやすい時期でもありますから、よい医療機関が近くにあることも大切ですね」。安心して子どもを遊ばせられる公園や、子育て支援施設の有無もチェックしたいところです。

学齢期の子どもがいる場合は、近くに評判のよい学校があるかどうか、学校と住居との距離、通学路の安全性などを確認したいもの。「小学校低学年のころは、自宅を中心に徒歩10分圏が主な活動範囲になります。その範囲内に安全で清潔な公園があるかどうか、公園までの道の歩車分離ができているかどうかを確認しましょう。道路の車両の交通量もあまり多くない方が好ましいですね」。周辺に落書きや不法ゴミが放置されていないかどうかもチェック。いざという時に、子どもが駆け込めるような交番やお店などがあると安心です。

もう少し大きくなると、通学・通塾・習い事で利用する駅までの距離や、駅から自宅までの安全性も要チェックです。「最近は、子どもを狙う犯罪の多発などから、親御さんが治安面に対してより慎重になっていると感じます」。

自治体の子育て支援制度も確認しよう

住まいのある街(自治体)が、子育てに力を入れているかどうか、も重要なチェックポイントです。最近は、子育て世代を意識して、充実した施策を打ち出している自治体も増えています。

「まずは、自治体のホームページを見てみるといいですね。トップページに『子育て・教育』『出産・子育て』など、子育てに関する情報がまとめられている自治体も多いですよ。医療費助成や保育料の減免制度など、子育て世代へのさまざまなサポート情報が掲載されています」。独自の支援制度を打ち出す自治体も増えている昨今、まずはどのようなサポートがあるか確認してみましょう。すでにその街に住んでいる子育て中の知人がいたら、様子を聞いてみるのもいいですね。

子育てしやすい賃貸住宅の条件って?

「集合住宅の場合、子どもの年齢が近い世帯が住んでいると、一緒に登下校したり、親同士で情報交換したりと、子育てしやすい環境になることが多いですね」と井上さん。賃貸の集合住宅では、転勤などで入居してくる世帯も多く、新しい環境に親子ともども不安を抱えているケースも少なくありません。同じ団地の住人など身近な人から情報を得ることができれば、とても助かるでしょう。井上さん自身も、引っ越し先のマンションで同年代の子どもを持つ親が近くにおり、救われた経験があるそうです。「転校したばかりの子どもにも、同じマンション内に住むお友達ができ、おかげで新生活にすんなり溶け込むことができました」。

「親同士の交流・情報交換がしやすいよう、賃貸住宅のエントランスや共用部にちょっと集まれるスペースがあると理想的。また、音の問題で、お友達を家に呼んで遊ぶことがはばかられる場合は、専用庭やキッズルームがあると助かりますよね」。敷地や建物内に親子で集えるスペースがあるかどうか、チェックしたいものです。また、そのような場所があれば近くで見守れるので、防犯や安全の面でも安心できます。

一昔前は大家族やご近所付き合いなどで、多くの大人が子育てに関わっていました。子どもの兄弟の数も多く、小さい子どもの面倒を見ながら一緒に遊ぶ光景もよく見かけました。今は、特に都市部では核家族化が進み、異年齢の集団で遊ぶ子どもの姿は減り、母子密着で子育てストレスに悩む親も増えています。子どもができたら一戸建てを、という考え方もありますが、同世代で子育ての悩みを共有したり、友達をつくりやすい集合住宅の暮らしは、子育て世代に向いているといえるかもしれません。賃貸住宅なら、手狭になったら広い家に借り換えることも比較的容易です。

子育てしやすい街や住まいの条件は数多くありますが、優先順位を考えながら、ベストの選択ができるようにしていきたいものです。

井上 恵子さん写真

All About「住まいの性能・安全」ガイド/井上 恵子さん

一級建築士。マンション設計に携わった経験を数多く持つ。設計事務所設立後は子育ての経験を生かし、保育園の設計なども行う。その他に戸建て・マンション購入セミナー講師、新聞へのコラム連載など。