ウェルフェア研究室

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ウェルフェアカフェ Vol.02(1/2)

2017.3.13開催

 現在、日本では高齢化が進んでおり、それはUR賃貸住宅においても例外ではありません。しかし一方で多くの人が住む団地は、地域の拠点としての可能性があると考えています。UR都市機構では、多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まちを目指して、団地の地域医療福祉拠点化の取組みに力を入れています。

 ウェルフェアカフェでは、医療・介護・福祉等のフィールドでご活躍されている方をお招きし、UR都市機構が取り組んでいる事例の紹介と澤登久雄さんによるご講演、参加者の皆さまを交えたグループディスカッションを行いました。
 今回、ケアマネージャーとして介護福祉施設で働いている方や高齢者向けのコミュニティ施設を運営している方など、様々な場所でご活躍されている43名の方にご参加いただきました。グループディスカッションでは、参加者の皆さま同士でお仕事の経験や考えを共有していただいた上で、「集合住宅(団地)に暮らし続けるためにあったらいいと思う もの・こと・人・場所」についてご提案いただきました。
 イベントは終始、和やかなムードの中で進行され、参加者の皆さまの笑顔が印象的な会となりました。
 以下にウェルフェアカフェについてご紹介いたします。

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 最初のプログラムでは、UR都市機構ウェルフェア総合戦略部ウェルフェア戦略推進チーム チームリーダー古賀夏子より、UR都市機構と地域医療福祉拠点化の取組みについてご紹介いたしました。
 UR都市機構では、国策である「地域包括ケアシステム」の構築を推進するため、団地の「地域医療福祉拠点化」を進めています。地域医療福祉拠点化とは”多様な世代が生き生きと暮らし続けられる住まい・まち”《ミクストコミュニティ》づくりを目指す取組みであり、現在86の団地で取組み、2020年までに100団地の拠点化を目指しています。
 ウェルフェアカフェでは、地域医療福祉拠点化の取組みの一部をご紹介いたしました。取組みにつきましては下記ホームページをご参照ください。

↑「地域医療福祉拠点化の取組み」につきましては
 上記ホームページをご参照ください

 高齢者が集合住宅に暮らし続けるためには、整備された住環境だけでなく、周囲のサポート、すなわち「人」のちからも必要です。2つ目のプログラムでは、UR都市機構ウェルフェア総合戦略部ウェルフェア研究室 室長川上由里子から、UR営業センターが運営する「高齢者相談窓口」と、「生活支援アドバイザー」についてご紹介いたしました。
 UR営業センターに2015年から設置された「高齢者相談窓口」には、60〜80代を中心とした相談者が訪れています。相談内容については、住まいに関することはもちろん、経済面や医療、介護、UR都市機構の高齢者支援制度についての相談など様々です。相談員は相談者の心身の状況や不安な気持ち、ご希望を傾聴しながら、共にニーズを確認し、新しい住まい探しを支援し、住まい方を描いています。
 一方、生活支援アドバイザーは地域医療福祉拠点化の団地を中心に、管理サービス事務所に配置されており、高齢者を孤立させないよう、電話での見守りや交流イベントを開催するなど様々な取組みを行っています。
 UR団地で暮らす方々を入口から最期まで「人」が支えています。

 医療や福祉分野の専門職、民間企業、行政機関が連携して、地域の高齢者の安心・健康をテーマに大田区で活動しているのが「おおた高齢者見守りネットワーク」です。
 今回は大田区地域包括支援センター入新井センター長 澤登久雄さんに同組織の活動について教えていただきました。


いくつになっても安心して暮らし続ける目的で誕生した
高齢者見守りネットワーク「みま〜も」

 「みま〜も」という愛称で呼ばれるおおた高齢者見守りネットワークは、平成20年に発足した組織であり、地域の医療・保険・福祉の事務所や民間企業が協賛金を出し合い活動しています。現在、協賛企業・団体数は94まで増え、みま〜もの取組みに賛同し協力してくれる住人「みま〜もサポーター」は100名超にのぼります。これだけ多くの団体や人が参加している取組みは全国でも類を見ないそうです。


みま~もの活動から生まれた「ありえない光景」
 大森駅に近いとある区立公園では野菜を育て収穫を行っています。「ありえない光景」なのは、「ケアマネージャーなどの専門職の方と元気な高齢者が一緒になって畑の野菜を収穫する」という部分です。「みま~も」の活動を通して、要介護状態になる前から日常的に専門職の方とつながることができます。
 高齢者が訪れる場として珍しい事例もあります。みま〜もでは、協賛するプロバスケットボールチームの試合にみま~もサポーターが駆けつけます。目を輝かせて選手の方と話し、元気に声援を送るみま~もサポーターの姿に、「これ以上の介護予防はありません」と嬉しそうに語る澤登さん。素敵な雰囲気が伝わり、会場内が笑顔に包まれました。

定期的に活動を行い、つながりを広げる
「地域づくりセミナー」や「アキナイ」
 みま~もの取組みの一環として、月に1回「地域づくりセミナー」が開催され、毎月地域の専門職の方から「地域全体での見守りの重要性」や「高齢者の異変に気づく視点」について学ぶことが出来ます。参加者は70代~80代の方が多く、毎回約130名を超える方が参加されています。
 地元の商店街に作ったコミュニティスペース「アキナイ」では、年間350もの講座を開催しています。年間参加者数は延べ2800名にも達し、高齢者の活動の場と機会の提供しています。また老舗の和菓子屋さんがみま~もまんじゅうを開発してくれるなど、みま~もと商店街は非常に良好な関係を築いています。以前は空き店舗があった商店街でしたが、現在は空き店舗がゼロになりました。

1ヶ月1万件にも及ぶ相談のなかで、澤登さんが直面した課題と解決策
 大田区には65歳以上の方の相談窓口となる地域包括支援センターが20ヶ所あり、相談件数は1ヶ月で1万件にも及びます。
 一方で、こうした相談窓口に、そもそもたどり着けない高齢者がたくさんいることが課題となっています。
 必要なのは、高齢者と日常的につながっている人や組織による「気付きのネットワーク」であり、そこから早い段階で、相談窓口や交流の場のような「対応のネットワーク」につなげてあげることが大事なのだと澤登さんは主張します。
 最後に澤登さんが紹介したのは、「あなたが必要です。力を貸してください」という言葉。これをストレートに口に出して言うことで、助け合いが生まれ、包括的なケアシステムや助け合いのネットワークの形成へとつながります。

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