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第2回埼玉都市再生フォーラム 基調講演要旨
●基調講演「都市の魅力は都市間競争から生まれる」
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講師 |
(株)大和総研チーフエコノミスト 原田 泰 氏 |
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東京一極集中はいけない、地方分権にしないといけないという声は多いですが、本当に地方は分権を望んでいたのでしょうか。
明治維新後の工業化により、特定の地域は栄え、それ以外のところは人が住まなくなる、すなわち不均衡な発展が生じるのではないかという危惧が生まれました。その中で、戦後の改革によりシャウプ税制が導入され、地方交付税で貧しい地域も財源を得ることができるようになりました。みんなこれを歓迎したわけです。
日本では、税収の豊かな県とそうでない県の一人当たりの歳入を比べると、補助金など国の財源を入れた場合には、税収の低い県が豊かな県を上回ってしまう状況です。税収の少ない地方はその補助金等を使って公共投資で地域を活性化しようとしてきました。以前は、地方は公共投資頼みではなく、何とか自分たちの生活を自分たちで考えてやっていたのだと思います。それが、シャウプ税制ができて、そういう制度があるならそれを使えばいいじゃないかというふうに変わってしまうわけです。
戦前にはさまざまな町が繁栄あるいは衰退する過程で色んな物語が生まれました。
例えば、浜松は江戸時代から紡績産業が栄えていて、金属加工、木工加工の下地があったわけですが、そこで時計修理をやっていた山葉さんという人のところに、ある日外国製オルガンの修理の依頼が来た。これなら自分でも作れるんじゃないかとオルガン作りを決心する。資金が無かったのですが、彼を見込んで資金援助をするという人が現れる。ところが、作ってはみたものの、技術は持っていても音楽の素養が無いため音程どおりの音が出ない。そこで、東京の音楽家の所に行って音楽を習って正しい音が出せるオルガンを仕上げ、大量生産できるようになった。音楽のことなど何も知らなくてもオルガンを作ってしまおうと考える人がいて、こういう無謀な人を助ける多くの人がいる。こうした物語は発展した町のあらゆるところで残っていると思います。
しかし戦後はそういった物語が乏しくなっています。特定の大都市の周りだけがベッドタウンとして発展したという話では全然面白くない。魅力的な都市というのは、都市が自由に競争して、その結果成功したり成功しなかったりすることでしか生まれないのではないかと思います。失敗することがいやであれば、そのままでいるしかない。それは、所詮楽しくないです。
都市の魅力とは、都市が自由に様々な工夫をすることによって生まれるわけで、それを阻害しているのは地方交付税を中心とした国の制度だと思います。地方分権は、財政支出の分権ではなくて、課税の分権にしないといけない。つまり、地方が自由に税金を取って、その税金を本当に都市の魅力を高めるために使う、そういう競争をすることが都市の本当の発展で、それが本当の都市の魅力を生み出すのではないでしょうか。
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