(1) 仮住まいの町
私は、埼玉とは長い付き合いをしています。さいたま新都心のけやき広場のデザインも決めました。
埼玉には小さい都市がいっぱい散らばっています。そこに今700万の人が住んでいるそうです。昭和30年頃には200万人強だったのが約50年で500万人近く増えたことになります。その増えた人のほとんどが、とりあえずということで埼玉に来たのだと思います。要するに仮住まいで埼玉に居付いたという町です。それで仮住まいの街づくりがあちらこちらで行なわれましたから、つまらない街、きたない街がいっぱいできました。歩いてみると、建物もひどい、土地利用もひどい、荒れた農地に産廃が埋まっている。こういう場所は珍しくありません。そういうところを、大上段ではなく、地元から地道に1つ1つ点検して直していくことが大事な時代になってきました。
(2) 私鉄駅前広場の整備
この仮住まい都市の手直しについて私は次のことをよく話しています。
戦後、旧国鉄の駅前広場は整備されましたが、私鉄が住宅地経営をしているところを除いて、私鉄には駅前広場はありません。
私は、駅前広場を良くするところから、街づくりの全てが始まると思っています。駅前広場を良くすれば、電車に乗る人が増えて、自動車に乗る人が少しは減るかもしれません。電車とバスやタクシーの接続が良くなるので、お年寄りが非常に効率良く病院などに行くことができます。
また、駅前には清潔で広いお手洗いや交番を設けましょう。区役所、市役所の情報端末を設置してあらゆる証明書がすぐ手に入るようにします。測量設計事務所、税理士事務所、弁護士事務所など、生活に必要な専門職の事務所があれば、駅前広場が新しい生活拠点になるはずです。
そういう認識のもとに、埼玉県の私鉄の各駅前を一斉に手直しすればと考えています。300

くらいの土地に200

の交通広場と歩道を整備して、残り100

に軽量鉄骨の三階建ての建物をつくって先ほどの色々な施設を入れます。これをやるのに3億円あれば何とかできるのではないかと思います。3億円のプロジェクトで、それを2〜3年で仕上げます。
これにより、仮に200ヶ所の駅前を整備したとしても600億円です。600億円の事業で、埼玉県民700万人のうち400万人くらいはその恩恵に浴するはずです。
このようなアイデアは身近な街づくりですが、国や県庁がとりあげてくれませんでしょうか?
もう一つ今、関東地方で面白いことが起きています。東大は千葉県の柏にキャンパスを構えました。慶応は神奈川県の日吉と湘南台です。埼玉県は本庄と所沢に早稲田があります。東大、早稲田、慶応がそれぞれ千葉、埼玉、神奈川にはっきり色づけされてポジショニングをすることになります。ですから、埼玉の人は、そういう意識で本庄も所沢も見ていただきたいし、ぜひ早稲田を支援していただきたいと思います。