街に、ルネッサンス UR都市機構

宮城・福島震災復興支援本部から(2013年05月)

2013/5/30

福島県いわき市薄磯(うすいそ)地区
(UR都市機構は薄磯地区(37ha、地権者数約270人)の復興まちづくりをいわき市と協力して推進しています。)

仙台の事務所から新幹線で郡山へ行き、高速バスを乗り継いで約2時間半。福島県いわき市にやって来ました。
いわき市は面積1,231km²、人口約33万人(市HPによる)と、いずれも県内NO.1です。
初めて、いわき駅前に到着すると、宮城県沿岸部被災地と異なり、建物は残っており、人々は平穏な生活を取り戻していると感じました。
しかし、いわき駅から南東へ車で20分。小高い丘を越えURが事業の受託施行を予定している薄磯(うすいそ)地区に到着すると、状況は一変しました。

写真:全景

堤防の向こうには穏やかな太平洋が広がっていますが、その手前には建物の基礎のみ残った、人の営みの跡がありました。

写真:地区内

薄磯地区の砂浜は県内有数の海水浴場として毎夏賑わっていたのですが、津波によって砂浜から海までの奥行が1/2になってしまったとのことです。

写真:砂浜

ここでは後方にそびえる山を半分程度に削って高台を造成するとともに、切った土を平地部に運び、土地のかさ上げをする予定になっています。

写真:山

残った基礎や塀に花が描かれています。これは地元有志が「ガレキに花を咲かせましょう」と名付けて制作したものだそうです。

写真:がれきに花

まだ手つかずに見えますが、現在、土質調査などを実施しており、年末には工事が始まる予定です。

2013/5/12

安倍首相、復興まちづくり事業を視察

安倍晋三首相が5月12日(日)、宮城県内の被災地を訪れ、その中でURが地元行政とともに復興まちづくり事業を推進している女川町、東松島市の事業地区を視察されました。
午前中は女川町の中心地区です。JR女川駅や商店街があった場所ですが、津波で壊滅的な被害を受けました。
報道各社も集まり、注目度が高いことが感じられます。

写真:報道機関

11時に首相が到着されました。村井宮城県知事(首相の右隣り)、須田女川町長らが出迎えました。

写真:首相と町長握手

須田町長は大きな模型を用いながら、復興計画を説明されました。

写真:町長の説明

町長からは首相への説明の中で、「震災直後、町の復興しなければならない中で、町だけの対応では復興は進まないと判断した。そこで、都市の再開発や区画整理に豊富な経験を持つURに無理を言ってパートナーシップ協定を結び、共に事業を進めている。」と、URに全幅の信頼を寄せている発言がありました。

写真:首相、町長

首相からは「URには※CM方式を活用して、十分に力を発揮してもらいたい。この新しい方式によって復興事業の進捗が目に見えてくると、町民の皆さんも明日が見えてくる。ぜひ町長と一緒に、頑張ってほしい。」と、町と連携したスピーディな事業推進を期待されました。

写真:小山震災復興推進役<首相から声をかけられる当機構小山震災復興推進役>

※CM(コンストラクションマネジメント)方式
工事施工、設計、調査とあわせて、これまでURが行っていた調整等業務の一部を民間事業者が請け負う発注形式で、復興事業のスピードアップ、民間の技術力を最大限に活かせる発注方法。

午後は、東松島市の野蒜(のびる)北部丘陵地区です。この地区は、山林を切り拓き、山を削って宅地造成する高台移転事業です。地区の南に位置する住宅地や学校、JRなどは津波で甚大な被害を受けました。そのため、この地区内に住宅地や学校、公園などを整備し、JRを移設する予定です。現場内では、日々、何台もの大型重機が動き、造成工事を進めています。

写真:野蒜事業地

そして、14時、首相が到着されました。

写真:首相ヘルメット装着工事現場内ですので、首相にもヘルメットを被っていただきます。

阿部東松島市長も大きな模型を用いて説明されました。市長から説明の中で、「阪神・淡路大震災の復興対応など、URの実力は十分理解していた。一日も早く生活再建、特に住宅再建をするにはURにお願いするしかないと判断した。ここまで順調に推移しているのは、URのおかげだ。」と、感謝の言葉がありました。

写真:阿部東松島市長説明

また、当機構小山震災復興推進役からも、「すでに大型重機が現場に入っていますが、今年の秋からは本格的に土を搬出し、よりスピーディに取り組んでいきます。そして、平成27年度にはJR仙石線が復旧する見込みです。」と説明しました。

写真:小山震災復興推進役説明

首相は、「URにはCM方式をうまく使って、事業が進んでいるこの地区をモデル地区として、他の地域でも復興を進めていってほしい。(工事が進んでいる)この姿を見れば住民は元の生活に戻れるという期待、希望を強く抱くだろう。」と述べられました。

写真:質問する首相<事業について質問をされる首相>

首相をはじめ、両首長からかけられた期待、それは被災された住民の皆さんの期待であること。そして、その皆さんの笑顔を一日でも早く取り戻すのがURに課された責務であり、一層気を引き締めて復興事業に取り組まなければならないと感じた一日でした。

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