街に、ルネッサンス UR都市機構

復興の「今」を見に来て!第9回 Part3

URPRESS 2017 vol.48 UR都市機構の情報誌 [ユーアールプレス]

復興の「今」を見に来て!第9回 - 防災緑地でどんぐりの植樹祭開催 福島県 いわき市

地元の豊かな植生を残したい。そのような思いから2013(平成25)年にいわき市でスタートした「どんぐりプロジェクト」。豊間(とよま)・薄磯(うすいそ)の2地区の海側の防災緑地の一部が完成したのを機に、2016年11月20日、どんぐりの苗木の植樹祭が行われた。

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた豊間・薄磯は、もともと海と山に囲まれた自然豊かな地。地元の山で拾ったどんぐりを育てて植樹する、このどんぐりプロジェクトには多くの人が協力している。里親となって多くの苗木を大事に育ててきたのは、地元の小中学生や地区を支援するボランティア、行政関係者、そして神奈川県藤沢市と福島県西会津町の小中学生たちだ。

どんぐりの成長とまちの再生を願って

午前の豊間地区の植樹祭には苗木の里親を含め約230人が、午後の薄磯地区には約180人が参加。子どもたちの明るい声が響くなか、コナラやスダジイの苗木2600本が植えられた。

豊間の遠藤守俊区長は「10年先、20年先、この地域に住む人たちが安心して暮らせるような大きな防災緑地になることを夢見ながら木を植えていきたい」と、また薄磯の鈴木幸長区長は「大切に育ててきた苗木を自分の子どものように思って植えてほしい」とあいさつ。

清水敏男いわき市長は祝辞で「市内外のボランティアなどに育てられたこの苗が大きく育ち、いわき市を代表するほどの緑地帯に育つことを願う」と述べた。また参加者の小学生は、「苗が僕たちと一緒に成長して、復興につながってくれればうれしい」と、いずれもどんぐりの成長に、まちの復興への期待を重ねていた。

豊間・薄磯は、福島県、いわき市との協定のもと、UR都市機構が高台の住宅地整備などを行う区画整理事業や防災緑地などの整備を担っている。どんぐりプロジェクトにも立ち上げ当初から関わり、今回の植樹祭でも裏方として多くの職員がサポートした。

植樹祭の会場となった防災緑地などの整備も含め、薄磯が2017年度、豊間は2018年度に完成予定。UR都市機構は引き続き両地区の復興に向けて、全力で取り組んでいる。

【妹尾和子=文、UR=撮影】

防災緑地に、どんぐりの苗木を植樹。上は薄磯地区の植樹祭での記念写真。
豊間地区の植樹祭。樹木医の指導のもと、50㎝以上に育った苗木を丁寧に植えた。

浪江町 復興まちづくりの加速化を目指し、浪江町とUR都市機構が覚書を交換

2016年11月29日、浪江町とUR都市機構は、東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所の事故からの復興まちづくりの加速化を図るため、「浪江町の復興まちづくりの推進に向けた覚書」を交換した。

この覚書は、これまでのまちづくりや過去の震災、東日本大震災からの復興まちづくりで培ってきたUR都市機構の技術やノウハウを生かし、原発避難区域の市町村として、大熊町、双葉町に続き、浪江町と相互協力することを確認したもの。さらなる支援に力を入れていく。

いわき市の復興の動き

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