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復興の「今」を見に来て!第2回「一本松茶屋」が誕生!来訪者とのかけ橋に

「奇跡の一本松」で知られる陸前高田市に、この夏、地域振興の拠点となる観光施設「一本松茶屋」がオープンした。
津波で市の中心部が壊滅的な打撃を受け、市内の7割を超える世帯が 被害を受けたまちの未来を担う、 地元と来訪者の かけ橋になっている。

「陸前高田ににぎわいを!」との期待を受けて誕生した「一本松茶屋」。
8月9日のオープン以来、連日数百人が訪れる人気スポットになっている。旧市街地の沿岸部に建つこの施設には、地元物産品を扱うショップ「たがだ屋一本松店」をはじめ、「ラーメン食堂岩張楼(がんばろう)」と「和カフェtsuruya」が入居している。

運営管理を担当する陸前高田地域振興株式会社の管理部長兼「たがだ屋一本松店」店長の三浦正克さんは、「ここをまちの玄関にしたい」と語る。
「一本松茶屋」ができる前、近くで地元物産品を車で販売していた三浦店長は、全国から連日大勢の人が陸前高田に来てくれることに驚いたという。遠くは九州からの人もいて、ありがたいと思えばこそ、「わざわざ来たけど何もないのね」というお客さんの言葉が胸に刺さったと振り返る。
「来てくれた方が休憩や買い物できる場所が必要だと感じていましたし、被災して内陸へ移動して頑張っている人たちを応援したいという思いもありました。
まずは一本松茶屋に立ち寄ってもらい、ここから内陸へ足を運んでもらえたらうれしいですね」

来訪者にとっては、お土産を買ったり飲食ができる楽しみに加え、お店のスタッフに震災前の様子を聞いたり、「あそこにあったお店はどこに行ったの?」と直接確認できるという魅力もある。

「悲しいことに、生まれ育ったまちながら、だんだんに記憶が薄れてきているんです。写真を見ないと思い出せないこともある。それでもここに何があったのと聞かれたら、たいてい答えられますから」
三浦店長は情報を伝えることも自分たちの役目だと考えている。

応援してくれた方々への恩返し

来店客が途切れない「ラーメン食堂 岩張楼」の創業は震災後。
「全国各地からボランティアに来てくれているのに、彼らが食事する場所がないのが気の毒で、ないなら自分でつくろうと思った」と店主の西條滋さん。岩手県産の豚肉をはじめ、メカブやフノリ、昆布など使用する食材の多くは地元産。三陸の磯の香りが詰まった岩張楼ラーメンが一番人気だ。

一方、「和カフェtsuruya」は、地元の老舗「つるや菓子店」の菅野隆さん一家が一念発起して始めた店。津波ですべて流され、最近まで廃業を考えていたという菅野店長にとって、復活の決め手となったのは、伝統のゆべしを継承したいとの強い思いだ。
「それに加え、震災後、このまちへ足を運び、物心両面で支えてくれた多くの方たちへ恩返しをしたいという思いもありました」

「また来るから」の言葉を信じて頑張れる

人々の交流の場として、すでに陸前高田に不可欠な存在になっている「一本松茶屋」だが、営業は2018年(予定)までと期間限定。
「何かのときには津波が一番に来る場所ですから、有事の際には避難を呼びかける役目も担っています。私は最後に逃げる覚悟です」

あの津波が来たあとのことを思えば、怖いものは何もないと語る三浦店長にとって、最近の楽しみは、日に日に旧市街地のかさ上げの盛土が高くなっていくこと。
「お客さんにも何度も来てもらって、変わっていく様子を見てもらえたらうれしい。来てくださった方は皆さん最後に“頑張れよ、また来るから”と言ってくれます。その“また来るから”が心に響くんです。その言葉を信じて頑張れる。負けるものかと思う。そして本当にまた来てくださる方がいる」

三浦店長はじめ「一本松茶屋」の皆さんは、多くの人に支えられていることへの感謝を口にする。けれども来訪する人たちも陸前高田の方々からパワーや勇気をもらっているのだ。人やモノ、情報や思いが交差する新たな拠点「一本松茶屋」の存在は大きい。

【妹尾和子=文、青木登=撮影】

「一本松茶屋」を支える皆さん。右から「たがだ屋一本松店」の三浦正克店長、「ラーメン食堂岩張楼」の小澤ひとみさんと西條滋店主、「和カフェtsuruya」の菅野隆店長。
「一本松茶屋」を支える皆さん。右から「たがだ屋一本松店」の三浦正克店長、「ラーメン食堂岩張楼」の小澤ひとみさんと西條滋店主、「和カフェtsuruya」の菅野隆店長。
高田松原の跡地に一本だけ残った「一本松」のモニュメント。
高田松原の跡地に一本だけ残った「一本松」のモニュメント。
一本松駐車場にオープンした一本松茶屋。一本松までは徒歩圏内。
一本松駐車場にオープンした一本松茶屋。一本松までは徒歩圏内。
たがだ屋一本松店
たがだ屋一本松店
■TEL:0192-22-7700
■営業時間:9時~18時
■定休日:なし

地元でとれる海産物や果物の加工品をはじめ、調味料やお菓子など三陸のさまざまな味覚がそろう。

ラーメン食堂 岩張楼(がんばろう)
ラーメン食堂 岩張楼(がんばろう)
■営業時間:11時30分~16時ごろ
■定休日:水曜日

新日鉄で働く人々に少しでも早く茹でて出せるように極細にしたといわれる「釜石麺」を使用。たっぷりの海藻がからみやすい。岩張楼ラーメン800円。

和カフェtsuruya
和カフェtsuruya
■営業時間:10時~17時ごろ
■定休日:木曜日

この地域では昔から冠婚葬祭に欠かせず、なじみの深い「ゆべし」。しそ、ゆず、ニッキ味が2切れずつ入って350円。

陸前高田へ

岩手県沿岸部の最南端、広田湾を中心に広がる陸前高田は、古くから今泉街道を中心に発展してきた地域。
アクセスは、東北新幹線・一ノ関駅から車で約90分、大船渡市から車で約30分。大船渡⇔陸前高田⇔気仙沼間をJR大船渡線BRT(バス高速輸送システム)が運行している。

観光ガイド

陸前高田を未来へ語り継ぐための観光ガイドや震災語りべの活動も行われている。被災地&観光ガイド(一本松、旧市街地、旧道の駅、気仙大工左官伝承館など)は1時間、3,000円~。

陸前高田の観光・物産などの問合せ

陸前高田市観光物産協会
TEL:0192-54-5011

左/陸前高田復興まちづくり情報館では、震災前後の様子や復興の状況、UR都市機構の活動などを 写真とともに詳しく紹介している。

下/陸前高田復興まちづくり情報館では、震災前後の様子や復興の状況、UR都市機構の活動などを 写真とともに詳しく紹介している。

陸前高田市観光物産協会
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