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2.機構分譲住宅についての構造計算書保管状況及び安心確保の取組み

平成18年4月25日
1 調査結果と原因
(1)現時点での調査結果

UR都市機構におきましては、平成17年度までに設計・建設し分譲した集合住宅建物(11,601棟)のうち、文書管理規定上保存を要する構造計算書5,968棟分につきまして、保管状況の調査を行ってまいりました。その結果、下表の通り、本日までに存在が確認できた構造計算書は、4,089棟分(約7割)であることが判明いたしました。

存在が確認できない構造計算書につきましては、引き続き調査いたしますが、この結果が居住者の皆様の不安を引き起したことにつきましては、誠に申し訳ないことと考えております。

文書管理規定上保存を要する構造計算書の保管状況(4/25現在)
  新耐震 旧耐震 合計
物件数 3,099棟 8,502棟 11,601棟
うち構造計算書の保存を要するもの 2,575棟 3,393棟 5,968棟
存在を確認できたもの 1,916棟 2,173棟 4,089棟
存在を確認できないもの 659棟 1,220棟 1,879棟
(2)原因

今般の問題の原因につきましては、究明がまだ不十分な面もありますが、次のような点にあると認識しております。

[1] 構造計算書は耐震性等を確認する重要な作業の成果である一方、その成果を反映した設計図書作成後においては、作成過程の証拠書類となり、実際の工事は設計図書に基づき施工されます。
 構造図等の設計図書は、管理組合にお渡しするとともに機構においてもデジタルデータ化して保存しておりますが、構造計算書は原本ファイルのまま保管し、殆ど使用することはないのが実情であったことから、構造計算書の保存・管理に不十分な点が生じました。
[2]  当機構内部の文書管理におきましては、構造計算書の保存期間を「永年」から、一旦官公庁の最長保存期間にならって「30年」とした後、「権利関係消滅後5年」(現行)に再度変更を行いましたが、その内容を現場に十分徹底できなかったために廃棄に至ったものが相当数ありました。

2 対策の概要

当機構は、今回の調査結果を重く受け止め、文書管理の全面的な見直しを行うことはもとより、居住者の皆様の不安を解消し、住宅の耐震化を積極的に推進するため、構造計算書保存の要否に関わらず、日本住宅公団による分譲開始(昭和31年)以来の全ての集合住宅(分譲)(11,601棟)について、耐震安全性の検証又はそのための協力をさせて頂くことといたしました。

また、本日(4月25日)、全支社に耐震相談窓口(分譲住宅)を設置するとともに、本ホームページにもQ&A等を掲載いたしました。


3 新耐震物件(入居時点が概ね昭和58年以降)への対応

新耐震物件3,099棟につきましては、設計図書及び構造計算書等を基本に、当機構において、全ての物件の設計上の耐震安全性を検証いたします。

新耐震物件全体の構造計算書(文書管理規定上保存を要しないものを含む)
  10年以内 10年超 合計
合計 230棟 2,869棟 3,099棟
存在が確認できたもの 224棟
【97.4%】
2,077棟
【72.4%】
2,301棟
【74.2%】
存在が確認できないもの
(うち、保存を要するもの)
6棟
(6棟)
792棟
(653棟)
798棟
(659棟)
  • 分譲後10年以内(平成8年度以降)の物件
     存在が確認できた224棟につきましては、簡易チェックを行い、建物の安全を脅かすような問題は無いことを確認いたしました。残る6棟分につきましては、7月末を目途に構造計算書の再作成を行います。
  • 分譲後10年超(平成7年以前)の物件
     今後1年を目途に、存在が確認できた2、077棟につきましては、同様の簡易チェックを行い、また、残る792棟につきましては、構造タイプ等に応じ再計算、設計図書等に基づく簡易診断(国土交通大臣認定)等適切な手法を活用して、安全性を検証いたします。
  • なお、構造計算書の写しの提供を希望される方は、4.4 「機構計算書の写し提供に関する手続きについて」 にお進み下さい。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の瑕疵担保責任の期間が10年であることにならって、当機構においても早急に対応すべきものと認識し、10年以内を区分してあります。

4 旧耐震物件(入居時点が概ね昭和58年3月まで)への対応

旧耐震物件につきましては、新耐震基準に照らした安全性の検証を行うためには、耐震診断が必要となります。このため、当機構は、8,502棟全て(構造計算書の保存を要しないものを含みます)につきまして、耐震診断に関する総合的な情報提供や相談、ご要請に応じた低コストの耐震診断等により、積極的に協力させて頂きます。

  • 当機構より管理組合の皆様宛てに「耐震診断に関するご案内」をお送りいたします。
    その上で、「耐震相談窓口(分譲住宅)」におきまして、管理組合の皆様からのご要望にお応えして、個別相談や技術的アドバイスをさせて頂きます。
  • 管理組合の皆様から診断委託のご要請があれば、簡易耐震診断等を実施いたします。この診断は一級建築士等であれば実施可能ですが、当機構では、類似構造の賃貸住宅1万棟以上の診断データやノウハウを活用し効率的に検証できること等の特長を活かし、一層のご負担軽減に努めます。
     また、国土交通省、関係機関との連携の下、耐震診断の一層の促進の観点から、耐震診断ではありませんが、ラーメン構造建築物の耐震診断を実施する優先度(緊急度)を簡便かつ低コストで評価する「機構ラーメン構造建築物の耐震診断優先度評価指針」を作成しました。
  • なお、詳細につきましては、各支社の相談窓口(分譲住宅)にお問い合わせ頂くか、本ホームページのQ&Aをご参照下さい。
「旧耐震設計の機構住宅の安全性」や「簡易耐震診断(国土交通大臣認定)など簡便で低コストの検証方法」のご説明のほか、「耐震診断等に対する地方公共団体の補助制度やその活用方法」等の情報提供について5月を目途にご案内させて頂く予定です。

5 再発防止等に対する取組み

今般の調査結果を踏まえ、以下の通り、構造計算書を含む文書の管理方法を全面的に見直します。

  • 紙媒体による保存が必要な文書の電子台帳登録と集中管理の徹底
  • 電子データでの保存が可能な文書のデジタル管理への移行
  • 文書のライフサイクル管理(作成→保存→廃棄)の徹底と定期点検の実施
機構住宅における耐震安全性確保の取組みについて
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