ゆたかなくらしって? ひと×食
体を温めて、消化を助ける。体調に合わせてスパイスを選ぼう!
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料理をよりおいしく、印象深くしてくれるスパイス。さらにスパイスには、さまざまな効能があることをご存知ですか?
今回は、体を健やかに保つレシピを提案している料理家の井澤由美子さんに、スパイスの活用術を教えてもらいました。
香りも効能もバラエティー豊かなスパイス
体を温めるためにおすすめのスパイスはありますか?
「体の冷えは、代謝の低下などさまざまな不調を呼び、体調を崩す原因になりがちです。ですので、体を温めることはやはり大切です。
手っ取り早く内臓を温めるために、スパイスがおすすめです。胃腸を整える効果やリラックス効果も高いので、気の巡りを良くし、ストレスを軽減させてくれます。食欲増進も担う、民間薬のような存在なのです。中でも取り入れやすいのがシナモン。
煮込み料理やサツマイモ、リンゴを使ったお菓子、お茶類などにもよく加えられていますね。末梢(まっしょう)神経まで温める効果が期待できますし、シナモンの甘い香りはリラックス効果があるだけでなく、嗅覚を刺激するので消化を促進します。
私は日ごろからシナモンとショウガを合わせたシロップを、低体温や肩こり予防の万能薬として作り置きし、飲むことで血行を良くしています。こんなふうに少しずつ日常に加えていくと、体が元気になっていきますよ。」
ほかにはどんなスパイスがありますか?
「ハンバーグなどの肉料理に入っていることが多いナツメグ。肉の臭みを抑え、消化を良くし胃腸を整えてくれます。乳製品とも相性が良いですよ。
体を温めてくれる作用もあり、若返りのスパイスとしても有名。香りが良いので、私は焼き菓子にもナツメグのホールを削って使用します。クローブは、丁字(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)とも呼ばれています。インドでは歯痛止めに使われていたり、歯肉炎の鎮静作用もあったりするため『歯医者さんのハーブ』として知られています。楊貴妃は、口臭予防にいつもクローブをかんでいたそうです。日本では洋服の虫よけにするために洋服たんすに入れることもあると聞いています。
このように世界各国で使い方は違うのですが、殺菌、冷え性の改善、胃腸を整えるといったさまざまな効果効能が期待できる優れたスパイスです。最後に、カレーなどによく使われるクミンは、胃腸の働きを促して消化を助けてくれます。脂溶性なので、ぜひ油で炒めて、香りを出して効能を高めてください。クミンに塩と酢を足したドレッシングは簡単に作れるのでおすすめです。炒め物や煮物にひと振りしたり、お米に加えて炊いたりすると、いつもと違ったエスニック風味を楽しめます。
ご自分の体調や体質に合わせてスパイスを選んで、旬の食材に合わせる、お茶の時間に加える、といったことだけでも豊かな時間になります。花粉症など、体質改善の手伝いになるかもしれませんよ!
ぜひ、楽しみながら日々の生活に取り入れてみてくださいね。」
自分の体調や体質に合ったスパイスを生活に取り入れて、調子を整えよう
- ・内臓を温めるために、スパイスがおすすめ。胃腸を整える効果やリラックス効果も高いので、気の巡りを良くし、ストレスを軽減させてくれる
- ・取り入れやすいスパイスとして、シナモン、ナツメグ、クローブ、クミンがある
- ・UR賃貸住宅には、広々としたキッチンやキッチン設備を一新している物件が充実
今回の先生:井澤 由美子さん
料理家・養生デザイナー。
旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理を提案。レモン塩・乳酸キャベツなどさまざまなブームの火付け役でもある。NHK「きょうの料理」、「あさイチ」、「趣味どきっ!」などの料理番組にも出演。著書に『まいにち食薬養生帖 365日の食が心とからだの薬になる』(リトル・モア)、『毎日の食事で心と体をととのえる 漢方ごはん』(永岡書店)がある。
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