これからのくらしを考える ひと×コミュニティ
行けば必ず誰かがいて、ほっとできる場所。365日立ち寄れる「だんだんテラス」
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京都府八幡市の男山団地は、全部で4592戸ある大規模団地。そこに、UR、八幡市、関西大学、団地住民の4者が連携してつくったコミュニティスペース「だんだんテラス」があります。世代を問わず人々が集い、ここからさまざまな活動が始まっています。
ふらっと立ち寄れて、やりたいことができる場所
「だんだんテラス」は、八幡市男山地域まちづくりコーディネーターの辻村修太郎さんと、辻村さんの後輩である関西大学大学院の学生たちが中心となり運営を行っています。その「だんだんテラス」の名前には、「団地について談話する場所」と、「段々とまちづくりを進めよう」という2つの意味が込められているそうです。
「住民から『気軽に集まれる場所が欲しい』という意見が出たのをきっかけに、男山団地商店街の空き店舗を改修してこの場所が生まれました。行けば必ず誰かがいて、用事が無くてもおしゃべりできる場所を、住民のみなさんは求めていたようなのです」と辻村さん。
近隣農家から仕入れた野菜を販売する「朝市」や、ラジオ体操が行われる午前中に訪れるのは、高齢者が中心。そこでは、おしゃべりをしたり、相談事を話したり、のんびりとした時間が流れています。学校が終わった夕方ごろに訪れるのは小学生。ここで宿題を済ませたり、かくれんぼや鬼ごっこで遊んだりして過ごしているのだそうです。
時間帯によって利用者の世代が違いますが、運営者である関西大学大学院の学生たちは、高齢者とは孫のように、子どもたちとは兄姉のように接し、日々異世代間での交流を生んでいます。
誰かの「何かしたい」を形にする
辻村さんは、「ここを訪れる人の中には『何かやってみよう』と思っている人や、活動の場を探している人たちがいます。私や学生たちが話し相手になりながら、その思いをくみ取って形になるようにサポートすることもあります」と話します。
たとえば、朝市に並ぶ野菜を見て「描きがいがある」とふとつぶやいた人を中心にして、ハガキ絵サークルが始まったり、俳句好き同士が知り合いになって「だんだん句会」というサークルが結成されたりしたのだそう。このように「だんだんテラス」を中心に、地域の人たちも巻き込んだコミュニティが次々と生まれています。
一日のスタートはラジオ体操から
「だんだんテラス」では毎朝、ラジオ体操が行われています。のびのびと体を動かし、体操が終わるころには参加者のみなさんはすっきりとした笑顔に。参加するごとに1つずつたまるスタンプカードをスタッフに差し出していました。
中には、「ラジオ体操を続けているうちに、体が元気になった。これからもできるだけ参加したい」と、意欲的な方も。ラジオ体操があることで、散歩をしたりどこかへ外出することも多くなっているようです。
隣にはDIYが楽しめる「だんだんラボ」も登場
男山団地には、自分たちで部屋の一部をDIYすることができる住宅も導入されています。より部屋づくりを楽しめるよう、「だんだんテラス」の隣にDIY工房「だんだんラボ」がオープン。個人では用意できない機材や道具の貸し出しなどもあり。クラフト作りが好きな人による制作作業や、男山地域の人々も参加してワークショップが行われるなど、新たな交流拠点として注目されています。
他にはない取り組みがどんどん行われる男山団地は、「だんだんテラス」や「だんだんラボ」をきっかけに、唯一無二の団地になっていきそうです。
ラジオ体操やサークル活動もさかんな交流拠点「だんだんテラス」。DIY工房もあり!
- ・午前中は高齢者、夕方には小学生が、世代を問わず集い交流をすることで、さまざまな活動が生まれている
- ・隣にはDIY工房「だんだんラボ」もオープンし、作業やワークショップ、道具の貸し出しを行っている
京都府八幡市男山竹園 ほか
京阪電車本線「楠葉」駅からバスで約10分。
「だんだんテラス」や、地域子育て支援施設「おひさまテラス」を中心に、地域の人と仲良くなれる施設やイベントも充実。
また、団地での子育てのしやすさにこだわって、まちづくりが進められています。
だんだんテラス
団地や地域の住民同士をつなぐコミュニティスペース。関西大学大学院の学生たちによって運営され、ラジオ体操、朝市、サークル活動などが行われています。年中無休。
京都府八幡市男山八望3-1 B47-104
くらしのカレッジ編集部は、「くらし」に関するさまざまなヒントをお届けすることを目的に、インテリア、リノベーション、DIY、子育て、イベント情報など、生活を豊かにするアイデアや日常的に楽しめるコンテンツをご紹介しています。
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